社会でより良い人間関係を築いていくために必要な能力として、ソーシャルスキルという言葉がしばしば使われます。
ソーシャルスキルという言葉以外にも、社会性であったりとかコミュニケーションスキル、社交性など用語は様々です。
いずれにせよ、他人とうまくやっていく能力は人生において大切です。
「他人とうまくやっていく能力」と考えると、まず思い浮かぶのが「空気を読める」ということ。
そして空気を読めるという言葉からはなんだか「周りに合わせる」という発想に至りがちです。
しかしながら、社会でうまくやっていくということは、単に周りに合わせるということではありません。
相手を尊重しつつ、自分を大切にできることがコミュニケーションにおいて最も重要な点です。
この、「自分を大切にする」ということを多くの人は忘れがちです。
空気を読まなきゃという強迫観念にも近い考えから、自分を犠牲にしてしまいがちです。
人は人間関係を重視しよとすればするほど、人に合わせようとしてしまいがちです。
しかし他人を尊重することと自分の考えを伝えることは本来矛盾はしません。
相手を尊重しつつ、自分の意思を伝えるためには、
相手の心情を読みとりつつ自分の気持ちをわかりやすく伝える力が必要です。
この「相手の気持ちを考える力」と「自分の気持ちをわかりやすく伝える力」が大切なのですが、多くの人が相手の気持ちばかり考えて伝え方を考えていません。
本来はいかにして、自分の正直な気持ちをどのような伝え方をするとすっと伝わるかを考えるべきなのです。
相手の気持ちばかり考えていても、意外と相手の気持ちはわからないものです。
自分の正直な気持ちを伝えてみて、はじめて相手についてわかることもあります。
人によって物事の受け止め方は異なります。
ですので当然人によって物事の伝え方も変えなければなりません。
自分の正直な気持ちを伝えるには、どんな伝え方がいいか。
伝えようとする姿勢とそこで思考錯誤する過程が相手を理解することにつながることがあります。
良好な人間関係・社会関係を築くために必要なのは、自分を犠牲にして相手に合わせることではありません。
相手の心情を考えること。
相手にどう思われているかを考えること。
自分の気持ちを伝えるためにはどのような言動が適しているかを考えることを。
これらが重要です。
いつの時代もどのような場所でも、相手にわかるかたちで物事を伝えるというのは大切なわけです。