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吃音に対する環境調整
吃音は現代医学では完治させる方法が確立されていません。
そのため吃音は「治す」というよりも、
吃音のことを本人と周囲が理解し、うまく付き合い、本人にとって比較的安定した状態を維持する
ということが主な取り組みになります。
そのためには周囲の理解や吃音の負担が軽くなるような生活環境が大事になってきます。
本人の吃音トレーニングばかりではなく、
周囲の状況に配慮していく取り組みを環境調整と言ったりします。
環境調整は吃音に対する前向きな取り組みの1つです。
以下、環境調整の具体的な方法をみていきます。
環境調整の具体的な方法
毎日、関わりあえる時間を作る
コミュニケーションをとる時間を設けます。
具体的には、
・会話をする時間(15分程度)
・一緒にゲームをしたり遊ぶ時間
・本を読んだりする時間 などです。
周囲がゆっくり話す
子供に話し方を指導するのではなく、
自らがゆっくり話すことでお手本となるということです。
間を長く取って、ゆっくりと話します。
ゆっくりと話しますが、
イントネーションは崩さないようにしましょう。
あくまで自然に。
適宜行う環境調整
上記2点を中心、そのほか適宜行う環境調整を挙げます。
活動のペースをゆっくりとする。
言葉だけでなく、動作も穏やかにすることが場合によっては有効だったりします。
会話と会話に間を取る。交互に話す。
言葉のキャッチボールを丁寧にゆっくり行います。
周囲の話す量を短く簡潔に。
周囲が長い話を速く話すと圧倒されてしまいます。
お互いの話す量を同じくらいにし、言葉のやりとりを大切にします。
長くて複雑な回答を要する質問はしない。
「今日、学校どうだった?」
といった類いの質問は漠然としすぎて答えにくいものです。
「今日は体育の授業は何をしたの?」
のようにある程度しぼって、相手が簡潔に答えることができるような質問にします。
吃音についてオープンに話す。
吃音について話せる雰囲気作りを。
「言いだしにくい」環境も
「言わないといけない」環境も、
本人にとってはストレスです。
雑談のように何気なく、吃音の状況を話せる雰囲気を目指します。
おわりに
吃音で最も気をつけないといけないことの1つは、二次障害の防止です。
吃音によって、
悩み、その悩みを誰にも相談できずに心身の体調を崩す。
吃音を理解してくれる人がいないために、
人間関係のトラブルにつながる。
吃音を本人が間違って捉えることで、
過度にストレスを感じたり将来の選択に消極的になる。
いずれも一例ですが、これらを未然に防ぐためにも環境調整は重要です。
補足記事