思春期

孤独感がない人の特徴|情緒的・依存的融合状態

公開日:2024年5月28日


 
 

情緒的・依存的融合状態

 人の孤独感は「共感」と「個別性」の考え方が大きく影響すると考えられています。

 孤独感の分類において「情緒的・依存的融合状態」は比較的孤独感がない一方で、人の個別性に気づけていないなどの課題もあります。

 
 
 

解説

共感と個別性のバランス

 孤独感の類型化には下記のような2つの要因が考えられ、これらの組み合わせで計4つのタイプがあります。

  • 人間同士の共感は可能であるか感じるか否か
  • 人間に個別性はあると感じるか否か

 そして4つのタイプの1つであり、A型とされる「情緒的・依存的融合状態」は、以下のような構成となります。

  • 人間同士の共感は可能であると感じる
  • 人間に個別性に気づけていない(人はみんな同じと感じている)

 
 

傾向や特徴

 「情緒的・依存的融合状態」は孤独感を感じていない状態と言えます。

 このように聞くととても良い状態のような印象を受けますが、実際は考えさせられるものがあります。

 「情緒的・依存的融合状態」の人は、人の個別性に気づけていません。
 つまり人はみんな自分のように考え感じ、基本は同じであると思っています。

 当然、人はそれぞれ異なった価値観や考え方を持っていますから、「みんな同じ」と思うのは認識として不十分さを認めると言えるでしょう。

 視野を広げていく中で個別性に気づくことが重要となっていきます。

 
 
 

孤独感のタイプ分類

 
 
 

参考資料

石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧

斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧

向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧

山本ちか(2012)『思春期のタイミングと早熟・晩熟の影響』(学校法人滝川学園 名古屋文理大学)2024年3月3日閲覧

丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧

落合良行(1974)『現代青年における孤独感の構造 (I)』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年3月9日閲覧

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