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マシュマロテストとは?
マシュマロテストとは、子供の自制心をみるテストです。
心理学や教育学において有名な実験の1つです。
「マシュマロ・テスト」「マシュマロ実験」、呼ばれ方はいろいろあります。
マシュマロテストから得られる知見は、
子供の将来にとってIQや知識よりも自制心(セルフコントロール)が影響を及ぼすということです。
今日はマシュマロテストについてです。
マシュマロテストの内容
気が散らないように配慮した個室に、机と椅子があります。
机の上にはお皿があって、そこにはマシュマロが1個あります。
椅子に座っている子供は、マシュマロが大好きです。
先生が言いました。
「先生はちょっと用事があるんだ。そのマシュマロはあなたにあげるね。でも、先生が戻ってくるまでの15分間、食べるのを我慢できたらマシュマロをもう1個あげるね。先生がいない間に食べたら、2個目はなしね」
そして先生は部屋を出ました。
マシュマロテストの内容は上記のような感じです。
待てた子供は約束通りマシュマロをもう1個もらえます。
少し我慢してマシュマロを2個もらったほうが得なのは明らかですね。
ちなみに、お皿のお菓子は別にマシュマロ以外でもいいです。
要するにその子が好きなお菓子であれば何でもOK。
例としてマシュマロを使ったからマシュマロテストと呼ばれているだけです。
マシュマロテストを4歳児に行ったところ、我慢してマシュマロを2個もらえたのは全体の3分の1だったそうです。
マシュマロを我慢できた子と我慢できなかった子、いずれもその後の経過をたどりました。
マシュマロを我慢できた子は、我慢できなかった子と比べて、大人になっての学歴が高かったり年収が高かったりしたそうです。
マシュマロテストの解説
マシュマロテストから得られる教訓はいくつかあります。
自制心の大切さ
1つ目は、
自制心は人生において重要だということです。
子供の能力で、しばしば大人はIQなどの知能の高さに目を向けがちですが、
IQの高い子よりも、自制心が高い子の方が将来成功する確率が高いということです。
自制心とはもっと言うと、
目先の誘惑にとらわれず、長期的な利益を選択できるかということです。
我慢ではなくコントロール
自制心があるというのは、「我慢」とはちょっと違います。
自制心があるというのは自分を理解し自分をコントロールできるということです。
マシュマロテストをクリアした子供は、マシュマロを見なように目を閉じたり、机の下に隠れたりしました。
マシュマロを見たり考えたりしたら食べたくなるからです。
一方、マシュマロを我慢できなかった子供は、マシュマロを見たり触ったりしていました。
マシュマロテストを我慢できた子供は根性で我慢したわけではありません。
つらい我慢で挫折しないように「待てる工夫」をした子供なのです。
これは非常に重要な知見です。
大人が子供に教えるのは根性論ではありません。
人間の意思はそもそも弱いのです。
「こうすれば自分をうまくコントロールできる」という工夫の仕方を教えるのです。
マシュマロテストと家庭環境
マシュマロテストをクリアーできたお子さんは、そうでないお子さんより家庭環境が裕福だったそうです。
まあ、明日食べるものもないような家庭だったら、目の前のマシュマロ食べちゃいますよね。
「結局、お金持ちの子が自制心も身について将来成功しちゃうのかよ」と考えると身も蓋もないですが、それは早合点です。
これは逆に考えると、
IQよりも大切なのは自制心です。
そしてその自制心は、生まれ持った変化しない才能ではなく、環境によって高めることができるということです。
「目先の誘惑にとらわれず、長期的の物事を考えるといいことがある」という経験を子供時代に積むことが大切です。
そのためには、
子供の努力をきちんと評価してあげることが必要です。
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