IQ(知能指数)は知能検査による知的能力の目安です。
IQの値が人間のどんな側面に影響するのか見ていきましょう。
IQと寿命
エディンバラ大学のイアン・ディアリ氏らはIQと寿命の関係性について大規模な調査を行いました。
もちろん人の健康は様々な要因が関連します。
例えば社会的地位や経済状況。このような社会階層のどこに生まれるかで健康の状況もかわりそうです。
イアン氏らはこのような社会階層を統計的に処理した上で、IQと寿命の関連性を調査しました。
結果、11歳時点のIQが1低いと77歳までに死ぬ確率が1%高くなるとのことです。
つまりIQ99の人はIQ100の人より77歳までに亡くなる確率が1%高い。
IQ95の人はIQ100の人より77歳までに亡くなる確率が5%高い。
なかなか衝撃的な事実ですね。
IQと寿命の関係を強めるもの
IQの平均は100です。
IQ85~115の間に全体の7割弱が該当します。
故にIQ85~115が狭くみた平均域と考えられます。
補足記事:知能指数(IQ)の分布~そのIQは全体の何割か?~
11歳時点のIQが1低いごとに77歳までに死ぬ可能性が1%高くなることは先ほど述べました。
しかしながら、社会階層が低くなるとより一層IQの寿命に関する影響が強くなります。
例えば同じIQでも経済的に恵まれた環境か否かはその人の日々の健康や寿命に影響するわけです。
IQが高いと外見も優れている?
IQは知能検査により得られた指数です。
つまり知的な能力の目安ですね。
しかしながら、IQが身体能力の目安になるという報告もあります。
エディンバラ大学の心理学者であるティム・ベイツが250人以上の人を対象に調査したところ、IQと身体の対称性(指や手、耳の長さなど)は小さいながら相関があることがわかりました。
心理学的に「美人」「イケメン」である基準は顔や体の対称性が挙げられます。
体のパーツが左右対称な人は美しく見えるのです。
また、アメリカの軍人を対象に行った調査では身体の左右対称性と運動能力には相関があるそうです。
IQと美貌と運動能力はそれぞれ相関しているようですね。
おわりに
IQの高さが寿命や外見や運動能力と関連しているのはなかなかショッキングな事実ですね。
けれどまあ、人生に必要なのはIQだけではありません。
例えばペリー就学前プロジェクトなどがそのことを証明していますね。
補足記事:ペリー就学前プロジェクトとは?~IQよりも大切なもの~
いずれにせよ、人の能力にはいろいろな側目があるので柔軟に捉えていきましょう。
その他の記事
参考文献
ロビン・ダンバー『友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学』インターシフト、2011年