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IQ(知能指数)に関して注目される項目
IQ(知能検査)において以下の3つの能力は現代的な知能のポイントと考えられています。
- 分類すること
- 理論を使って抽象概念を扱うこと
- 仮定を真剣に受け止めること
以下、これらについて解説です。
解説
人類のIQは上がっている
IQは個人の全てを表したり人生の幸福を約束するものではありません。
これらを前提とした上で、人間の認知的の能力を客観的に示す上でIQはしばしば用いられます。
IQは知能検査によって算出された数値です。
心理学者のジェームズ・R・フリン氏によると、人類の知能検査の数値は年々上昇していることがわかっています。
このような現象は発見者にちなんで「フリン効果」と言われています。
人類は賢くなっているのか?
年々人類のIQは上がってはいますが、では人類は昔よりも賢くなっているのでしょうか?
「賢い」の定義にもよりますが、少なくとも人間の脳が短期間で飛躍的に進化しているわけではありません。
フリン氏の見解も含めると、
人々は一昔前よりも抽象的な思考能力が高まっていると考えられます。
科学の進歩により現代は一昔前よりも抽象的に物事を考える場面が増え、それにより抽象的に物事を考える思考習慣がついたのではと考えられています。
知能検査の項目比較
人類のIQの平均は上がってきていますが、その中身を見ていくとまた発見があります。
知能検査の項目別に見ていくと、年々上がっている項目もあれば横ばいの項目もあります。
そして年々上がっている項目を汲むと、冒頭の3つの力が重要視されていることがわかります。
つまり、
- 物事の共通点を見つけて分類する力
- 理論を使って抽象概念を考える力
- これらを行うために仮定を真剣に受け止める姿勢
です。
現代的な知能に重要な3つの項目
分類すること
「犬・猫・鶏、この中で仲間外れはどれ?」
「フォークとスプーンの共通点は?」
こういった「仲間外れ探し」や「共通点探し」は学習場面でよく見られます。
また物事の共通点や法則を見つけることは大人の知的活動や仕事でも度々見られる場面でしょう。
理論を使って抽象概念を扱うこと
目に見えない物や実際に体験していないことでも、私達はしばしば考え予想する必要があります。
例えば人類が経験したことがない新種のウイルスが蔓延した際に、これまでのウイルスや感染症対策を参考にマスクや手洗いなどの必要性を説くには理論をベースにした抽象的な思考が必要です。
仮定を真剣に受け止めること
例えば「白人が黒人を差別することは良くない」といった話をするときに、「もしも自分が黒人で、差別されたらどんな気持ちになるか」というのは大切な思考実験の1つです。
「いじめた人はいじめられた人の気持ちを考えましたか?」と小学校の先生もよく言います。
このときに、「馬鹿言うな。白人が突然黒人になるわけないじゃないか」といった反論は野暮というか筋違いというものです。
物事をより深く抽象的なところで考えるためには、「仮定を真剣に受け止める力」が重要です。
この力が噛み合っていないとより良い議論はできません。
論理的な話をしているのに感情論で反論する人はこういった力の不足を感じるのではないでしょうか。