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M-CHATの絵
自閉症チェックリストである「M-CHAT」の解説です。
M-CHATは専門家ではない人が記入する場合に回答に迷いがちな質問について補足の絵があります。
具体的には7・9・17・23の4項目です。
これらの項目の内容の補足と、なぜこれらがASDの問診において重要なのかを扱っていきます。
解説
何かに興味を持った時、指を指して伝えようとしますか?
このように興味の対象に指をさし、他者に伝える行為を「叙述の指さし」と言います。
本項目はその子に叙述の指さしが見られるかを確認しています。
子供の指さしについては、何かを取ってほしいときにそれを催促する「要求の指さし」がわかりやすいものの1つではないでしょうか。
叙述の指さしは要求の指さしより若干あとに獲得されます。
あなたに見てほしいモノがある時、それを見せに持ってきますか?
こちらも叙述の指さしに通ずるものがあります。
他者に何かをしてほしいという要求ではなく、誰かに何かを見てほしいという共感をモチベーションとした行動です。
こういった他者を意識し他者との共感を求める行動はコミュニケーションの発達において大切な指標となります。
あなたが見ているモノを、お子さんも一緒に見ますか?
専門的には共同注意・共同注視と言ったりします。
他者を意識し他者の視線を感じ、他者が見たものを自分も見る行為です。
共同注意ができているこういった状態を三項関係と言います。
三項関係もコミュニケーション面の発達の基礎であり非常に重要な要素です。
いつもと違うことがある時、あなたの顔を見て反応を確かめますか?
相手の反応をうかがうということも、他者意識があってはじめて可能になることです。
いつもと違う場面は誰しも不安に感じるものです。
そのときに他者へ安心を求めることができるか、相手はどのようにしているかという視点に立てるかどうか。
他者意識に関する項目です。
補足記事
参考資料
『自閉症スペクトラム障害(ASD)の早期診断へのM-CHATの活用』(国立精神・神経医療研究センター)2021年2月17日検索
『日本語版 M-CHAT』(国立精神・神経医療研究センター)2021年2月17日検索