いろいろな暗黙のルール

【暗黙のルール辞典】お金のこと

公開日:2017年1月25日

世の中には暗黙のルールがあります。
アスペルガー症候群や発達障害を持つ人にとってはこの暗黙のルールを気づき理解することが難しい場合があります。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)において暗黙のルールを理解することは重要です。
 
 
 
【お金の話】
お金の話というのはあまり具体的すぎる内容は付き合いが浅い人とすべきではありません。

お金の具体的な話を人は避ける傾向があります。

お金の話題はその他の話題とは扱い方が異なるのです。
 
 
 
【お金に対する心理】
実際の実験の内容とは若干異なる部分がありますが、おおよその内容としてこういう心理実験があります。

街中で荷物が路上に置いてあり、トラックが路肩に停まっています。
実験者が歩道を歩く人達に声をかけます。

内容はこの荷物をトラックに積み込むのを手伝ってほしい。

手伝ってもらったらお礼があることを事前に伝えます。

A.1000円
B.1000円相当のチョコレート

Bの場合、チョコレートの金額が1000円であることは言っていません。
声をかけた人にAの条件を言った場合とBの条件を言った場合で比較します。

さて、どちらのお礼のほうがよりたくさんの人が手伝ってくれたでしょう?
 
 
答えはBです。

金額がわからない物がお礼の場合、トラックに荷物を積むことは親切心で行った行為と人は感じます。

一方で金額がはっきりすると人はそれを労働と捉えます。
また、金額がはっきりすると人はそれが等価交換可能と感じます。

いずれにせよ、人はお金の金額がはっきりすると冷めた気持ちになるのです。
 
 
 
【具体的な金額は言わない】
仕事や買い物では別ですが、
基本的には人とのコミュニケーションにおける会話で具体的なお金の金額は言わない方が無難です。

具体的な金額の話は生々しいです。
本来聞きにくい話題ですし話しにくい話題です。

そういう聞きにくい・話しにくい話題にズカズカと突っ込むべきではありません。
 
 
 
【プレゼントの額は言わない・聞かない】
家族や友人、恋人からのプレゼント。
誰でもプレゼントは嬉しいものです。

「このプレゼントいくらだったの?」
「これは○○(お店)で○○円したんだよ!」
こういうことは言わないようにしましょう。

先ほどのチョコレートの実験と一緒です。
相手の気持ちが冷めてしまいます。

プレゼントをあげたという好意的な気持ち
プレゼントをもらったという嬉しい気持ち

具体的な金額という情報のやりとりではなく、
温かな気持ちのやりとりと共有があればいいのです。

 
 
 
【ご祝儀は相場に合わせる】
結婚式でのご祝儀。
そのほか冠婚葬祭でお金を包むことがあります。

ご祝儀の金額は相場に合わせましょう。
あるいは会社の結婚式などであれば周りの人と合わせましょう。

例えばあなたが相場も周りの意見も聞かずお金を包んだとしましょう。
それがたまたま上司の額より多かったらどうなるか。

すると相対的に上司はお金を少なく包んだことになるのです。
お祝いをもらった人は、「あの上司はケチだ」とそこまで極端なことは思わないでしょうが、違和感を感じることは事実です。
 
 
 
【お給料の額は言わない】
自分が仕事をしてどのくらいのお給料をもらっているのか。
具体的な金額は言わない方がいいです。

「そんなに多くないです」
「それなりにご飯を食べていけるくらいです」
くらいのぼかした感じにとどめておきましょう。
 
 
 
【安易に人に物を売らない】
あなたが家の中を片付けていて、いらないものが出てきたとします。
まだ使えるし、それなりにきれい。
そういえばそれを欲しい人がいる。

そういうときに安易に職場の人や友人に売るのはやめましょう。
日常の人間関係と商売関係は違います。

日常の人間関係にお金をからめるとプラスよりマイナスのことのほうが大きいです。

基本的に、不要品を処分してお金がほしいならリサイクルショップを利用してください。

職場の人や友人に不要品をあげる場合はただであげるか、
ただであげるには少し値が張るものなら「今度コーヒーおごって♪」くらいにしましょう。

また、すごく高級なものを人にあげるのも避けた方が無難です。
 
 
 
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