親の所得と子供の病院受診頻度は関係がある?
親の所得と子供が病院に行く頻度に関係はあるのでしょうか?
要するにお金に余裕のある家庭の子供は不自由なく病院に行けていて、お金に余裕のない家庭の子供は病院に行きたくても行けない現状があるのでしょうか?
あくまで統計上ですが、
日本の場合、親の所得によって子供の医療機関の受診頻度が変わることはなく、経済状況に関係なく病院に行けている子供が多いようです。
所得格差と医療格差
ある人が医療サービスをたくさん受けることができるのに対し、別の人は受けたくても医療を受けることができない。
こういった状況を医療格差などと言ったりします。
医療格差がある社会というのは決して望ましいものではなく、やはり誰しもが必要十分な医療サービスを受けたいものです。
必要十分な医療サービスを受けることにより将来に渡って健康を維持できることは、個人だけでなく社会としても望ましいことです。
大人や高齢者に限って見ると、日本は外国と比べると医療格差はかなり少ないほうですが、なくはないようです。
では、子供の場合はどうでしょう?
子供は自分でお金を稼ぐわけではありませんから、当然経済状況は親の所得に左右されます。
子供の医療格差は、親の所得格差によって生じてしまうのでしょうか?
一橋大学の論文によると、
親の所得と子供の外来通院回数には関係性がないようです。
家庭によって病院に行く頻度が違う?
このように、親の所得によって子供が病院に行きたいのに行けないというケースは全体としては少ないようです。
しかし同研究によると、子供が病院を受診する頻度は家庭によって差があるようです。
これには親の所得ではなく別の原因があると考えられています。
子供の病院受診頻度は親の所得の影響は受けませんが、親の仕事の状況や健康習慣に対する親の姿勢は影響しているようです。
具体的には共働きかそうでないか、共働きでも一方がパートなのかフルタイムなのか。
こういった労働状況がやはり子供の病院受診のしやすさに影響を与えているようです。
また、歯磨きの習慣を重んじているかなど生活習慣に対する意識も子供を病院に連れて行く機会に影響を与えているようです。
おわりに
子供が親の所得状況によって病院に行きたくても行けないというケースは全体としては少ないようです。
子供が病院によく行くか行かないかの差は所得ではなく、親が重んじる生活習慣や仕事の状況のようです。
日本は国民皆保険により外国と比べれば誰もが少ない自己負担で医療を受けることができます。
特に小さいお子さんの場合は乳幼児医療証などによりほぼ無料で医療を受ける期間もあります。
子供達が親の所得とは無関係に必要な医療を受けることができている現状は、こういった政策が結果を出していることもあり喜ばしいことですね。
参考資料
『子供の健康資本と親の時間配分行動』(国立社会保障・人口問題研究所) 2020年1月29日検索
『子どもの受診行動の決定要因分析』(一橋大学機関リポジトリ)2020年1月30日検索