療育の仕事コラム

理学療法士(PT)になるためには(3)

公開日:2017年6月28日

理学療法士になるためには国家試験合格が必要です。
試験には受験資格が必要で、そのためには学校を卒業する必要があります。

前回の記事:理学療法士(PT)になるためには(2)

理学療法士の学校を卒業する上で、
最大に難関のひとつが臨床実習です。
 
 
 

臨床実習

 
臨床実習は数回行われます。
いずれも場所は別のところで行われます。

理学療法士が働くいろいろな分野の現場で理学療法を学びます。
総合病院や整形外科、介護施設など実習先は様々です。

実習は1回あたり2カ月前後と比較的長い期間行われます。
この期間に学生は担当の患者さんを持ち、現場の理学療法士の指導の下で学んでいきます。

実習期間中には日々のレポートや実際の理学療法の手技をこなしていきます。

もちろん、患者さんを転倒させて怪我を負わせてしまったといったトラブルやミスを起こすと最悪の場合実習中止。つまり不合格になります。
 
 
 

臨床実習の合格

 
レポートなど必要な提出物をこなし、
トラブルやミスなく手技を行え、
患者さんに充分な成果を出せた場合に実習は合格となります。

実習が合格か否かは現場の理学療法士の評価を下に学校が決めます。

実習中、学生には指導者として理学療法士がつきます。
この担当理学療法士が実習における学生の成績を決めます。

その成績を下に学校が判断をします。
成績が良ければ実習合格。
成績が悪ければ別の病院で再実習。あるいは留年です。

ちなみに実習は学校の試験よりも残念ながら不公平なものです。
担当の理学療法士の人柄によって当たり外れがあります。

優しい理学療法士の先生だったら実習も楽しいでしょうし、
冷たい先生だったら重箱の隅をつつくような指摘もされます。

理学療法の知識や技術より、
いろんな性格の人と上手くやっていくコミュニケーションスキルの方がある意味実習では必要かもしれません。
 
 
 

臨床実習のあと

 
各科目の定期試験も合格し、実習もパスできたらいよいよ受験勉強です。

定期試験と実習に合格したら次は卒業試験です。
卒業試験の勉強に入ります。

多くの場合、卒業試験と国家試験は内容が重複します。

そのため
卒業試験の勉強≒国家試験の勉強
と考えていいでしょう。

実習が終わった秋ごろからこの受験勉強が始まります。
また受験勉強と並行して就職活動も始まります。
 
 
 

卒業試験

 
卒業試験に合格できれば学校の卒業。
つまり理学療法士の国家試験の受験資格を得ることができます。

学校にとって卒業試験はある意味
国家試験を受けてもどうせ受からないであろう学力の人を先に落とすために試験でもあります。

勉強もろくにしないで国家試験を受けられては、
学校の「国家試験合格率」に影響が出るからです。

逆に言うと、
卒業試験に合格できれば国家試験合格もかなり視野に入ってくるということです。
 
 
 

国家試験

 
国家試験は年に1回、2月頃に行われます。
筆記試験であり、形式はマークシート方式です。

その後3月末に合格発表があり、
自分の受験番号があれば晴れて理学療法士です!

ちなみに平成29年の国家試験合格率は約9割でした。
毎年概ね8割以上の合格率であり、
受験にさえこぎつければ受かる人の方が多数の資格です。
いつも通りの力を発揮しましょう。

外部リンク:国家試験の合格率(厚生労働省)

 
 
 

まとめ

 
理学療法士になるための流れのまとめです。

大学or専門学校に入学する
 ↓
勉強する
 ↓
定期試験&実習をパスする
 ↓
受験勉強&就職活動
 ↓
卒業試験
 ↓
国家試験
 ↓
理学療法士

といった感じです。

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