療育の仕事コラム

小児分野の理学療法士(PT)ってどんな感じ?

公開日:2017年10月3日

一口に理学療法士(PT)といっても扱う分野は広く、自分がどの分野に就職するかで対象の患者さんもすることも変わってきます。

理学療法士の分野の一つに小児があります。
文字通り子供さんを対象にする分野ですね。

今日は小児PTについて見ていきます。
 
 
 

療育の中のリハビリ

 
障害を持ったお子さんに対する教育・保育・医療ケア・社会的ケアなどの支援をひっくるめて療育と言います。

小児分野のPTはこの療育に関わる職種の一つと言えます。

療育に関わるスタッフとは他には看護師、保育士、作業療法士、言語聴覚士などが該当します。

様々な職種と協力していく必要があると言えます。

補足記事:障害児療育に関わる仕事、職種一覧
 
 
 

小児PTの競争率

 
基本的に小児分野はPT全体から見て少数派で、就職においては狭き門と言わざるをえません。

あなたが道を歩いていて、病院・介護老人保健施設・障害を持ったお子さんの施設。どれをよく目にするでしょう?
障害を持ったお子さんのための療育施設というのはリハビリ科のある病院と比べれば圧倒的に少ないのです。

ただし小児PTはなり手も少ないです。
就職先は多くはないですが、小児PTになりたい人も多くはないので、実際は競争率がすごく高いかというとそれほどではありません。
 
 
 

小児分野のお給料

 
PTの中で小児というのはお給料が比較的少ないことが多いです。
よくてPTの中での平均くらいでしょうか。

いずれにせよ、「とにかく高いお給料を」と考える人は小児分野は向かないかもしれません。
 
 
 

仕事としての小児分野のメリット

 
PTにおいて小児分野は高い給与を望めません。
では仕事として、小児分野のメリットはなんでしょう?

PTにおいて小児分野は他の分野と比べると福利厚生が充実しています。
残業も少ないです。

そして特に違うのが監査のレベル。
その患者さんにリハビリを行うことが妥当か国からの監査が入ります。
一般の病院の場合、この監査がとても厳しい。監査が近づくと書類作りに追われる日々です。

しかし小児は成人の病院と比べると監査が圧倒的にゆるい。

そのため成人の病院と比べて雑務や残業が少なくなるのです。

また、子供相手の仕事なので子供好きで穏やかなスタッフが多いです。
 
 
 

対象となるお子さん

 
PTの小児分野では、主に対象となるのは身体障害により歩けない・立てないお子さんです。

しかし少数ながら発達障害の症例を持つこともあり得ます。
こちらは発達障害ゆえの身体動作のぎこちなさ、感覚に苦手さから歩けない・立てないといった状況にアプローチしていきます。

また、脳性麻痺などの重度心身障害児の姿勢ケアなども対象になります。

また、お子さん方の車椅子や装具の作製も機会が多いでしょう。
 
 
 

心の成長も手助けする

 
ただリハビリをするだけでなく、
子供さんの指導・教育も小児PTには大切になってきます。

時には褒めてあげ、時には適切に叱責する。
その子の成長を親御さんと共に喜ぶ。
やってはいけないことはしっかりやってはいけないと指導する。

体だけでなく、心の成長も手助けするのが小児PTです。
 
 
 

小児PTに向く人

 
小児PTに向くのはまず子供と触れ合うことが苦にならない人です。

そしてお金よりも仕事のやりがいや福利厚生を重視する人。

子供に障害があるがゆえの親御さんの悩みや葛藤を受け止め理解しようと努めることができる人。

そういった人が小児PTに向く人と言えるでしょう。
 
 
 
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