障害を持ったお子さんに対する教育・保育・医療ケア・社会的ケアなどの支援をひっくるめて療育と言います。
障害をもったお子さんとは、
知的障害や身体障害だけでなく、自閉症や学習障害、ADHDなども含みます。
障害児療育に関わる仕事はいろいろありますが、その代表的なもののひとつに保育士があります。
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障害児に関わる保育士とは2種類あって、
ひとつが一般的な保育園の加配(かはい)としての保育士。
もうひとつが療育施設に勤務する保育士です。
加配とは保育園で担任の先生とは別に、障害をもったお子さんをマンツーマンに近い形でサポートする先生です。
より専門的に障害児に関わるのは「療育施設に勤務する保育士」なので、今回はこちらをとりあげます。
まず療育施設とは障害を持ったお子さんが通う施設なわけですが、その形式はさまざまです。
ひとつが、親御さんが送り迎えをして、園生活はお子さんが先生達と過ごす普通の保育園のような形。
もうひとつがお母さんも一緒に登園し、先生・お子さん・お母さんで過ごす形です。母子通園と言われたりもします。
当然、お母さんがいるほうが先生の人出は少なくて済みます。
母子通園の施設の方が保育士の配置は少なくなる傾向があります。
基本的に、一般的な保育園より療育施設の方が数自体が少ないので、「障害児療育に関わる保育士」とは通常の保育士と比べて就職は狭き門と考えられます。
お子さんの障害様相に合わせた保育活動を提供するのが療育施設に勤務する保育士の仕事です。
では「障害様相に合わせた保育」とはどんな保育でしょう?
大きくは「医療的知識」と「障害に関する知識」が必要です。
「医療的知識」とは例えばてんかん発作時の対応や、食べることの障害による給食時のリスク管理です。
「障害に関する知識」とは、例えば自閉症の特性や接し方などです。
医療的知識を参考に安全な保育を提供すること。
障害特性を理解しその子に合った保育を提供すること。
これらが大切になります。
通常の保育園に勤務する保育士と比べて、療育施設に勤務する保育士のお給料はどんな感じでしょう?
通常の保育園と比べて、療育施設の保育士はお給料が高くなる可能性があります。
ただしこれには条件があって、
病院など医療系の法人が経営している療育施設です。
経営母体が医療系であればそちら側の収入もあるので経営自体が安定しているのです。
保育士が最も高いお給料で働く一つの方法は、
医療系の法人が経営する療育施設に就職することです。
何かと残業が多そうなイメージの保育士ですが、療育施設も例外ではありません。
しかし、一般的な保育園よりは療育施設の保育士のほうが残業は少ない可能性が高いです。
もちろん場所にもよりますが。
保育園と比べれば、療育施設は圧倒的に少なく、まだまだ競争が起きているとは言い難い。
競争の少なさが福利厚生に影響している部分はあります。
障害児の療育というのは何かと専門的な分野で慣れるまではなかなかたいへんな仕事です。
しかし人から感謝されたり社会に貢献したという手ごたえを感じやすい仕事でもあります。
保育士の就職先としては少数派の選択肢になりますが、生涯続けられるだけの専門性と雇用の安定も魅力的です。
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