ペンシルヴェニア州立大学のナンシー・ダーリングとリンダ・コールドウェルによると、
10代の子供たちの96%は親に嘘をついているそうです。
ダーリングは検査者の年齢や問診場所などを配慮して「優等生」から「不良」まで幅広い被験者を集め、10代の子供たちの本音や親との関係について調査しました。
先述したとおり、ほとんどの思春期の子供は親に嘘をつきます。
そして皮肉なことに、世の中の親の78%は自分の子供が「なんでも話してくれる」と思っているそうです。
10代の子供が親に隠しごとをする内容のトップは「飲酒」「ドラッグ」「性生活」。
そのほか、子供がよく親につく嘘の内容としては「小遣いの使い道」「恋愛」「外出時の服装」「親が嫌っている友達との付き合い」などがあります。
アメリカの調査ではありますが、日本でもこれらを包み隠さず親に話せる子供は少ないでしょう。
「ドラッグ」と関連して「喫煙」なども嘘の項目に入るかもしれませんね。
子供達はなぜ嘘をつくのでしょう?
子供が親に嘘をつく最大の理由は「親と気まずくなりたくないから」だそうです。
「性行為」自体が後ろめたいのではありません。
親の「真剣なお付き合いなの?」「勉強に差しつかえはないの?」といった煙たい言葉を言われたくないから子供は親に嘘をつきます。
「親にはなんでも話してほしい」と世の中の親は思うものです。
子供に隠しごとをしてほしくないから、なんでも話してほしいからという理由で子供に寛大に接する方法をとる親は多いです。
はっきりとしたルールを設けず、とりあえず肯定する。
寛容に接することによって子供の親に対する嘘は減るのでしょうか?
子供に甘く接しても、子供の嘘は減りません。
例えばチリはお国柄、甘い親が多いそうです。
そして子供が親に嘘をつく頻度は他国よりも多かったそうです。
どのように接すれば、子供は親に隠しごとをせず話してくれるのでしょうか?
子供が親に嘘をつかない最も有効な方法は、
・明確なルールを設けてそれを一貫して守る。
・ルールを大切にしながらも、時には融通を利かせる。
この2点です。
ルールで子供を縛る親に対して子供は嘘をつきそうと一般には思います。
しかしルールをガミガミ言う親ほど実はルールが守られていない。
ルールを親と子供で一貫して守るというのはそれだけ大変なことです。
「明確なルールを設けてそれを一貫して守る」という行為を親自身が体現しないといけません。
一方で、ルールに融通を持たせることも必要です。
子供が親に話さないのは、「言ってもどうせわからないから」。
たとえ口論になっても自分の意見を聞いてくれて、親が適切な妥協点を設けてくれるなら子供は親に「話してよかった」と思えるのです。
いつもは門限が9時。でもその日は部活の試合のあとにみんなでご飯を食べるから10時までにしてほしい。
そんなふうにルールを決めるプロセスを一緒に話し、融通を利かせることが大切です。
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【参考文献】
ポー・ブロンソン、アシュリー・メリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年