「ことばの教室」とは一般的には「言葉の遅れのあるお子さん」を対象とした教室を指します。
「言葉の教室」「ことばのきょうしつ」いろいろ書き方はありますが。
「ことば」と言葉を平仮名表記することが多いかなあという印象。
1. ことばの遅れのあるお子さんとは?
2. ことばの教室が指すもの
3. ことばの教室の定義の曖昧さ
4. 言語聴覚士がやる「ことばの教室」の仕組み
5. 「ことばの教室」の使い方
6. その他の記事
ことばの遅れのあるお子さんとは?
「言葉の遅れのあるお子さん」は文字通り言葉に遅れが見られるわけですが、その背景は様々です。
例えば知的障害やダウン症などの遺伝子疾患。
近年では自閉症などの発達障害に伴う言葉の遅れも対象になることが多いです。
また、滑舌の不器用さなどからくる発音の苦手さも言語訓練の対象。
発音のことを医学用語では構音といい、お子さんの発音のトレーニングを「ことばの教室」では構音訓練と言うことが多いです。
補足記事:機能性構音障害とは?
ことばの教室が指すもの
「ことばの遅れのあるお子さん」を指導・サポートする仕事にはいろいろありますが、やはり筆頭は言語聴覚士が挙がるかなあと思います。言語聴覚士はリハビリに関する国家資格です。
言語聴覚士はリハビリの国家資格なので、当然ながら言語聴覚士の多くは病院に勤めているわけです。
病院なので、お子さん達は健康保険にて自己負担が少ない状態で言語訓練を受けることができます。
しかしながら、言語聴覚士の中には病院に勤めず開業して言語療法をやっている場合があって、これを一般に「ことばの教室」と指すことが多いのですね。
ことばの教室の定義の曖昧さ
「ことばの教室」というのはけっこう定義が曖昧です。
先ほどの「言語聴覚士が開業した教室」だけでなく、学校の「特別支援クラス」を指したりすることもあります。
あるいは資格を持っていない人がやっている可能性も否定できません。
一口に「ことばの教室」といっても「どんな資格を持った人」が「どんなことをやっているのか」は別個で確認する必要はありそうです。
言語聴覚士がやる「ことばの教室」の仕組み
先ほど書いた通り、「ことばの教室」には言語聴覚士が携わることが比較的あります。
言語聴覚士はリハビリの国家資格で、リハビリは医師の処方の下で保険点数が請求できます。
つまり言語聴覚士単独では保険点数を請求できないわけです。
そのため、医師がいない「ことばの教室」では費用が親御さんの自己負担になるわけです。
現状として、ことばの教室のほとんどは医師がいません。
なぜなら個人でやってる「ことばの教室」で医師を雇うのは経営上とても無理だから。
ですので「言語聴覚士が開業したことばの教室」はほぼ全額自己負担であることを想定しておいていいと思います。
「ことばの教室」の使い方
まず前提として、「ことばの遅れのあるお子さん」に何らかの働きかけをしたいなら、小児科に行くことをおすすめします。
まずは健康保険を使って医師の診断の下、医療機関でことばの訓練を受ける。
もしもお子さんが小学校以降なら特別支援クラスなど公的な支援を受ける。
上記2つを行った上でそれでもなお言語訓練の回数を増やしたいと思ったときにはじめて「ことばの教室」の選択肢が出てくるでしょう。