子供の読書にはフィクション・ノンフィクションどちらがいいか?
読書は本人が好きな物を主体的に読むことが一番大切です。
それを前提として、
子供の読書では小説などの「フィクション」と伝記などの「ノンフィクション」はどちらが国語力に有意義な影響があるのでしょうか?
子供の読書と学力の研究は国内外で広く行われ様々な見解があるため一律の答えはありませんが、
子供に読書の習慣が付き始めたばかりの頃はノンフィクション、読書の経験が増え多様な本を読めるようになった頃ならフィクションを読むと有意義な可能性があります。
解説
読書と国語力
子供(小学生)の場合、読書量と語彙力と文章理解力には関連があると考えられています。
つまりたくさん本を読んでいる子供ほど、語彙が多く文章の理解力も高い傾向であるということです。
ではどのような本がより語彙力や文章理解と関連するのでしょうか。
語彙力については読書のジャンルンとの関連性はあまり見出されていませんが、読解力については諸説あります。
読書のジャンルと文章理解力
読書と子供の文章理解力に関する研究では、ノンフィクションのほうが文章理解力が高いという説と、フィクションのほうが文章理解力が高いという説があり意見が分かれています。
研究ごとに年齢や対象が異なることがその背景にあると考えられています。
あくまで仮説の1つですが、
幼い時期は説明文が多いフィクションを読む機会がフィクションと比べると少ないため、このあたりの事情が結果に影響しているのではないかと考えられています。
つまり、
あまり複雑な文章を読む習慣がない小学校前半のうちはノンフィクションによる整った文章は理解力にポジティブな影響があるかもしれません。
一方で、いろいろな本を読みある意味で「目が肥えた」状態であれば、フィクションのほうが(いろいろな心情や比喩が描かれるため)理解力にポジティブな影響があるかもしれません。
読書のジャンルと国語力の関係
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧
『語彙力・文章理解力の発達に及ぼす読書のジャンルの影響』(日本読書学会)2023年6月25日閲覧