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場面緘黙の出現率
場面緘黙の出現率は0.03~1%と幅があり、世界的に一致したデータはないのが現状です。
日本の場合は小学生を対象にした大規模調査では0.15%ほどとなっています。
このため小学生1000人に対して1人いるかもしれない割合と言えます。
また性差については女児の方が多い傾向にあります。
解説
DSM-5による場面緘黙の出現率
アメリカ精神医学会の「DSM-5」によると、場面緘黙の出現率は0.03~1%とされており、かなり幅のある数値となっています。
出現率が絞れない明確な理由はわからないものの、場面緘黙が「見過ごされやすい」「目に見えない障害」である点から統計を取ることの難しさは想像に難くないでしょう。
日本での場面緘黙の出現率の調査
日本で場面緘黙の出現率について行われた大規模な調査として、日本不安症学会の論文でも扱われた神戸市の調査があります。
神戸市の公立小学校の児童77038人を対象にした調査によると、場面緘黙の割合は0.15%でした。
場面緘黙の性差
同調査によると、場面緘黙の男女比は1:1.7で女児の方は多い傾向でした。
男子生徒の中での場面緘黙の割合は0.11%、
女子生徒の中での場面緘黙の割合は0.20%となっています。
海外との比較
この神戸市の調査による児童の場面緘黙の割合は、アメリカ・イスラエル・トルコといった海外の調査と比べると低い割合となっています。
この理由は明らかにされておらず、場面緘黙の出現率が国によって異なるのか単に調査方法による違いの差なのかは今後の検討課題と言えます。
ちなみに神戸市の調査は大規模な調査であると同時に特別支援教育コーディネーターが介入し複数の目の下で統計と取っているため、信憑性は比較的高いデータと言えます。
場面緘黙の解説
参考資料
『場面緘黙(選択性緘黙)の多様性—その臨床と教育—』(日本不安症学会)2023年7月22日閲覧