1. いい子だけれど、ズレていた女の子
中学生の頃、少しズレていた女の子がいました。
根はやさしい子なのですが、そういう状況じゃないのに笑いを取ろうとしたり、逆にみんなが冗談を言っているときに真剣になったり。
そういう、ちょっと噛み合わないことがありました。
授業は真面目に受けていて、勉強もどっちかと言えばできるほう。
容姿もきちんとしているし、礼儀正しいです。
けれど、そういう何気ないときの噛み合わない感じがありました。
2. イケてるグループとイケてないグループ
その女の子を、仮にSさんとしましょう。
Sさんはどちらかといえば容姿端麗でした。
子供の世界は残酷です。
中学生にもなると、いろんなグループができますよね。
正直、容姿端麗な子達は似たような子達とグループを作りますね。
要するに、「イケてるグループ」なわけです。
で、ちょっと外見が平均以下だったり、社交性がなかったりすると「イケてないグループ」に属することが多いわけです。
Sさんは先述の通り容姿端麗で、勉強もそれなりにできるほうでした。
だから充分「イケてるグループ」に入れる素質があるように思えました。
けれど実際は、Sさんはクラスの中心ではない、どちらかというと「イケてないグループ」に所属していました。
Sさんは平たく言うと、当時、「空気が読めない人」でした。
そして、その「空気の読めなさ」を、クラスの子達はなんとなく察していたのかもしれません。
3. 説明できない空気の読めなさ
Sさんの具体的にどんなところが「空気が読めなかった」のか。
正直あまり具体的には思い浮かびません。
Sさんは、空気の読めなさを周りがいじってくれるような人ではありませんでした。
ネタにできるほどのことはやらかさないわけです。
こういう、「微妙に空気が読めない人」によくありがちなことですが、
空気が読めない人が具体的にどんなところが空気を読めていないのかって、周りはうまく説明できないんですよね。
具体例が思い付かないというか、すぐ忘れられるというか。
4. おわりに
大人になってもそうかもしれませんが、人は自分と似た者同士でグループを作りますね。
何が似ているかと言えば、まずは雰囲気。
外見とか美醜の好みとか、そういう価値観が似ていると似た者同士になります。
けれどたまに、雰囲気は似ているのにグループに合わない人ってのがいます。
で、じゃあ何が具体的に合わないのかっていうのが具体的に説明しにくい。
そんな人がいます。
それを「空気が読めるか読めないか」という表現だけで片付けるのはいささか雑な気がしますが、いずれにせよ何かの噛み合わなさを持っている人というのは一定数います。