ITコラム

スイッチの適応

公開日:2016年11月21日

肢体不自由あるいは重度身体障害の方のIT支援においては、スイッチを活用する機会が多いと思います。

今日はスイッチを1個ないし複数個押すくらいがやっとといった重度の身体障害の方へのスイッチの適応について少し考えます。
 
 
 
【得意な身体動作】
まず対象者がどこでスイッチを押すか。これが重要ですね。

通常のように手で押せればいいですが、足や顔などでももちろんかまいません。

その人が得意な部分。
具体的には随意性が高い部分であることが望ましいです。

随意性とは・・・
思いのままに動かせるかどうか。
障害者支援においては腕などを器用にあちこち動かせる「思いのまま」というより、「動かそう」と思った意思に合わせてしっかり動かせるかどうかという意味合いが強いでしょう。

 
 
勝手にスイッチを押してしまったり、押したいのに押せないという動作パターンでは機器操作は難しいです。
できるだけ随意性の高い身体でスイッチを操作しましょう。

スイッチを頻度多く素早く押せることも大切ですが、1番重要なのは正確さです。入力に多少時間がかかっても、誤操作が少ないほうが望ましいです。
 
 
 
【スイッチの種類】
スイッチの選定も大切です。

一般的な押ボタン型や、紐を引っ張ることで入力できるストリングスイッチ。
息を吐くことで反応する呼気スイッチなどがあります。

関連記事:スイッチの種類

同じ押しボタンでも大きさや押す強さも様々なので本人に合ったものを選びましょう。
 
 
 
【個数と入力の種類】
例えば片足でスイッチを押す。この方は1スイッチの入力ができます。

しかし、IT支援者はもう一歩踏み込んで対象者を観察しましょう。

その足、スイッチを長く押すことと短く押すことをわけることができるでしょうか?
もしできれば、その方はスイッチの長押しと短押しができます。

この場合、この方のスイッチ操作は1スイッチ2入力となります。
もし他方の足でも同じことができれば、2スイッチ4入力となります。

障害者のIT支援において、スイッチ入力はたくさんできたほうが効率よく操作ができます。

それは単純にスイッチを何個扱えるかということだけでなく、
いくつの入力のバリエーションがあるかということです。

先ほどの長押し短押し。

素早くスイッチをダブルクリックのように素早く押す「連続押し」などもバリエーションの一つです。

バリエーションを支援者ができるだけたくさん発見することで、その方ができる活動の幅は広がります。

例えばスイッチを1つしか扱えなくても、長押しと短押しができれば短押しでパソコン操作、長押しでナースコールなど介助者呼び出しなどができます。

いちいち機器を入れ替えなくても1つのスイッチで操作可能となります。 

支援者はぜひスイッチの個数だけでなく入力の種類も把握していきましょう。

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