タイムアウトとは?
育児・教育における「タイムアウト」とは、子供が癇癪を起こしたり「いけなこと」をした際、離れた場所で一定時間過ごさせる手法のことです。
いわゆる「クールダウン」、「頭を冷やさせる」手法であり、行動心理学的にも理に適った方法と言えます。
適切に用いることで、叱ったり罰を与えるような方法よりも効果的に子供の学びを促すことができます。
解説
タイムアウトのやり方
タイムアウトは子供を一定時間、離れた静かな場所(個室や部屋の一角のスペース)で過ごさせます。
子供が癇癪を起こしたり、困った行動をした際に、落ち着き冷静さを取り戻してもらうために行うことが多いです。
癇癪は切り替えの難しさやこだわりの強さ、うまく自己表現できないゆえの憤りなど様々な背景が考えられます。
同様に困った行動も様々でしょう。
他の子供に手が出るといった他傷的な行動や、逆に自分の身体を傷つける自傷的な行動、物を壊したり乱暴に扱うといった行動などがあるでしょう。
多くの場合、子供の癇癪や困った行動に対して怒ったり体罰をしたりしても火に油を注ぐがごとく自体が改善しないことは少なくありません。(そもそも体罰は倫理的な問題もあります)
タイムアウトは叱ったり罰を与える行為よりも、冷静に子供の困った行動に対応する手法と言えます。
タイムアウトの意義
タイムアウトにおいて重要な考えの1つが、子供の困った行動に対して積極的な「罰」を与えるのではなく、切り替えを促すことと言えるでしょう。
つまり困った行動を「助長しない」姿勢が必要です。
子供にもよりますが、叱ったり罰を与える行為は「かまってもらえている」という認識につながり逆に困った行動を助長してしまうケースがあります。
タイムアウトはあくまで冷静に場を移すことで、子供に「困ったことをするモチベーション」を刺激しないようにします。
このように考えると、タイムアウトをする際のコツがいくつか挙がってくるでしょう。
1つはタイムアウトを指導者側が「罰」として用いないことです。
そしてもう1つは、タイムアウトがその子供にとって嫌なことから逃げるための「逃げ道」、別の場所に行ける「ご褒美」にならないことです。
あくまでタイムアウトは冷静さを取り戻し内省する時間を与え、切り替えを促す理性的な対応である必要があります。
参考資料
ジェームズ・J・ヘックマン(著)、古草 秀子(翻訳)『幼児教育の経済学』東洋経済新報社、2015年