要求の指さしについて
要求の指差しをしない・できないとき
適齢期を過ぎても要求の指差しができない場合は、その前段階となる「外部に興味を向ける動作」を促してみます。
また、他者が指差したほうを向けるかといった、指差しの理解についても見てみると有意義でしょう。
解説
要求の指差しとは?
「要求の指差し」は文字通り「あれ取って~」など他者への要求を伝えるために行う指差しのことを言います。
定型発達においては11か月~1歳頃に出現すると考えられています。
指差しができるためには
指をさすという行為ができるためには、当然ですが何かに興味が向かなければなりません。
何か興味のある物をじっと見ることができるか。
特に、対象に手が届くにも関わらずその物をじっと見る行為があるかは大切です。
これは指差しに対して「目差し」とも言われます。
さらに、指をさせなくても、例えば興味のある対象に手を向けることができているか。
人差し指だけでなく全部の指が開いていても、何かに対して手をさすことができているか。
これを指差しに対して「手差し」と言ったりもします。
指差しができていない場合、そもそも土台となる「目差し」「手差し」ができているかを確認してあげると有意義です。
指差しの理解
自分から指をさすだけでなく、相手の指差しを理解できるかも重要です。
例えば他者は何かを指差したときに、その指の先ではなく、例えば指差しをした人の顔や指そのものを見ていてはやりとりが成立しません。
定型発達において、指さされたほうを見ることができるのは7~8か月頃と考えられています。
ちなみに他者が何か物を指差したとき、指先がその物に触れている、あるいはごく近い距離にあったとします。
そのとき、赤ちゃんは一見するとその物に目を向けているようで実は指を見ているだけというパターンがあります。
これは当然ながら指差しを理解できているとは言えません。
このように指差しの理解をしっかりできているかの確認も現状把握としては重要です。
参考資料
『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索
『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索
『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索