指さしの発達

指差し・手差し・目差しとは?|子供の発達・言葉とコミュニケーション

公開日:2021年10月21日


 
 

指差し・手差し・目差しとは?

 子供の発達において「指差し」はよく聞く要素の1つですが、さらに細かく見ると指差しの前段階に「手差し」「目差し」があります。

 子育てにおいて「子供が指差しをしない」という悩みは比較的よくありますが、こういったときに「手差し」や「目差し」という着眼点は有意義です。
 子供の発達を段階に分けてより細かく見ることで、発達を促す糸口が見るかることがあります。

 
 
 

解説

目差しとは?

 対象に手が届くにも関わらず、その物をじっと見る行為が「目差し」と言われ、指差しの機能を視線で行っていると考えられています。

 定型発達において目差しは生後4か月頃から出現します。

 生後間もない頃から赤ちゃんは何かしらを見ますが、生まれた直後は単純な視覚刺激として反応します。
 これが生後4か月頃になると、興味を持ってじっと見る静観がはじまります。

 これが目差しであり、対象をきちんと認知し注意を向け続けていることを表します。

 
 

手差しとは?

 一般的に指さしは人差し指を立てそれ以外の指を閉じた状態で対象に向けます。

 「手差し」は5本の指を曲げずにまさしく手で差す行為です。
 手差しは定型発達において10か月頃から見られます。

 まだ指差しに至ってはいないものの、対象を指示するという点では非常に指差しに近い行為と言えます。

 
 

指差し

 指差しは定型発達において8,9か月あるいは11か月頃から見られ、手差しとほぼ同じくらいに出現します。
 しかし指さしは要求や応答などその意図によって完成時期がしばらくかかります。
 初期の指差しは他者への伝達意思は不明確で、単純に興味の対象に指をさしている漠然としたものです。

 指差しと手差しは混ざり合う時期もあり、例えば手が届く範囲では指差しをするけれど手が届かない範囲では手差しをするといったケースも見られます。

 
 
 

参考資料

『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索

『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『1歳6か月児の健康診査』(奈良県)2021年9月25日検索

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