指をさした方向に目を向けるのは何歳から?
例えばお母さんが道端の少し先にいる猫を指差して、その方向を子供が見ることができるのは何歳頃かなのでしょうか?
個人差はありますが、
指さされた対象に注目できるのは生後7~8か月頃からです。
解説
指差しと子供の発達
子供の発達において指差しは言葉やコミュニケーション面に関して重要な要素です。
その背景には他者との相互性の発達があります。
指差しは自身で行えることも大切ですが、他者の指差しの理解も同様に大切です。
他者の指差しに対してその指先にある対象ではなく、その人自身や指そのものを見ていてはやりとりが成立しません。
こういった言葉では説明しにくい、暗黙の了解のような営みはいつ頃から可能になるのでしょうか。
定型発達においては、指さされたほうを見ることができるのは7~8か月頃と考えられています。
ちなみに自身が行う指差しは8~9か月頃から段階的に始まると考えれているので、時期的にはどちらも近い様子がうかがえます。
指差しの理解
他者が何かを指差した場合、その指先にある対象に目を向ける必要があります。
指差しをした人の顔や指自体を見てもそれは相手の意図を汲み取れているとは言えません。
こういった他者の指差しに対する赤ちゃんの反応で、その子のコミュニケーション面の発達を観察することができます。
ちなみに指差しの際に指と対象が接している場合は注意が必要です。
例えば母親が何か物を指差したとき、指先がその物に触れている、あるいはごく近い距離にあったとします。
そのとき、赤ちゃんは一見するとその物に目を向けているようで実は指を見ているだけというパターンがあります。
これは当然ながら指差しを理解できているとは言えません。
こういった相手の指を見る行為は5~6か月頃に見られるので、解釈には注意が必要です。
参考資料
『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索
『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索
『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索
『1歳6か月児の健康診査』(奈良県)2021年9月25日検索