指さしの発達

叙述の指差しの教え方や練習方法|子供の発達

公開日:2021年11月19日

叙述の指さしについて


 
 

叙述の指差しの教え方や練習方法

 叙述の指差しの教え方としては、まずは前段階である要求行動を確立しつつ、子供の指差しにしっかりリアクションをとってあげることが有意義と考えられます。

 子供の指差しを肯定的に受け入れ、人とやりとりをする楽しさを子供に経験してもらいます。

 
 
 

解説

叙述の指差しとは?

 叙述の指さしとは、他者と何かを共感・共有したいために行われる指さしのことです。

 具体的には、例えば子供がお母さんと散歩をしていて、道中で犬に出会ったとします。
 このときに指をさして「あ、ワンワンだよ!」と親に教えたいような意図があればそれが叙述の指差しであると言えます。

 叙述の指さしは生後11か月前後あるいは1歳前後くらいから始まるとされています。

 
 

叙述の指差しの発達過程

 子供はまず他者をあまり意識せず行う「漠然とした指差し」の時期があります。
 その後「~取って」といった明確な意図がある「要求の指差し」が始まります。
 叙述の指差しはその次の段階になります。
 指差しの発達全体でみると叙述の指差しは3段階目の指差しになります。

 要求の指差しにも通じることですが、叙述の指さしは他者を意識した指差しなので、「そうだね、犬だね~」といった反応があるまで指さしをし続けます。この点が漠然とした指差しとの違いになります。

 叙述の指差しは習熟してくると関連性のある物を指差す行動も見られます。
 「ワンワンいるよ~」の意味の指差しから発展し、「こっちとこっちにもワンワンいるよ~」や「このワンワンとこのワンワン似てる~」といった意図の指差しが見られるということです。

 
 

叙述の指差しの教え方

 以上のように叙述の指差しは他者を意識した上で行える指差しです。
 叙述の指差しが難しい場合は、その前段階である要求を指差しができているかを確認してあげると有意義と言えます。

 要求の指さしは「お菓子取って~」など即物的な場合が多いので子供の理解しやすいです。
 一方で叙述の指差しにおける「共感」は物ではないので手ごたえが感じにくい可能性があります。

 叙述の指差しを教える場合は、子供の指差しに対して大人がこまめにしっかりリアクションをとってあげることが大切です。

 このように指差しに対する反応を周囲がしっかり返すことで、子供は指差しによるコミュニケーションの手ごたえを感じていけます。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索

『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『1歳6か月児の健康診査』(奈良県)2021年9月25日検索

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