コミュニケーションの対象年齢考察 指さしの発達

要求の指さしとは? 何歳からできる?|子供の発達心理学

公開日:2020年7月21日


 
 

要求の指さしとは?

要求の指さしとは、子供が欲しいものを取ってほしいときなどに指をさす行為のことです。

子供がジュースやお菓子を欲しい。
けれど自分で取ることはできない。
そういうときに指をさして大人に欲しいことを伝える。

要求の指さしは子供のコミュニケーション面の発達における重要な指標の1つです。

しかしながら、要求の指さしは他者へ欲しい物を伝えているというあくまで一方的な行為でもあります。

そのためより広い視野で見ると、

「要求の指さし」は指さしの獲得・完成の途中段階でもあります。

 
 
 

要求の指さしは何歳から?

神戸大学の論文や各種資料を参考にすると、

要求の指さしは生後11か月前後あるいは1歳前後くらいから始まるとされています。

「要求の指さし」は指さしの発達の中では比較的前半の指さしになります。

 
 
 

実際の要求の指さしの獲得過程

子供はまず8~9か月頃に「漠然とした指さし」が始まります。

これは自分が見たものや興味があるもの、驚いたものに指をさす、まさに漠然とした指さしです。

この漠然とした指さしはまだ他者へ何かを伝えたいといった意図が不十分です。

そして

「漠然とした指さし」の後に出現してくるのが「要求の指さし」です。

要求の指さしは漠然とした指さしと異なり、その意図が明確です。

つまり「あれが欲しい」という意図ですね。

人と人、あるいは人と物の関係が明確に結びついていることを専門用語で「二項関係」と言います。

漠然とした指差しは二項関係が不十分あるいは芽生え程度であるのに対し、

要求の指さしができるということは二項関係が成立していることを示します。

 
 
 

おわりに

子供の発達には個人差がありますから、
月齢などはあくまで目安として捉えてもらえれば幸いです。

実生活ではその子自身のペースを大切にしてあげましょう。

要求の指さしの際に子供が「あー」など声を発しながら指差しを行う場合があります。

指さしという非言語的な行動と、言葉を発するという言語的な営み。

指さしと言葉の発達は相互に影響し合っていることがわかります。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索

『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索

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