物の素材がわかるのは何歳から?
子供が物の材質をわかるのは、おおむね6歳前後くらいからと考えられます。
もちろん個人差や材質自体の語彙の難しさにもよるでしょう。
このためあくまで目安ですが、6歳頃になると(例えばコップを見せて)「これは何でできてるかな?」と聞いたとき、「ガラス」など素材を答えることができはじめると考えられます。
解説
材質に関する語彙の発達
日本発達心理学会の論文に、幼児期における物の材質に関する語彙を調べた研究があります。
この研究では、「これは何でできているかな?」聞き子供がその物の材質を答えられるか調べています。
用いられた材質は、鉄・プラスチック(透明・不透明)・ガラス・木・発泡スチロール・ゴム・スポンジなどでした。
結果、6歳児は4歳児よりも材質を正しく答えることが有意にできていました。
つまり4~6歳頃に材質を答えるための知識・語彙力が高まっていくことがわかります。
おおむね保育園や幼稚園の年長児、あるいは小学校1年生の時期と言えます。
材質を表す言葉の種類
材質を表す語彙の中でも獲得時期は異なります。
一般的に、「鉄」「木」「プラスチック」といった材質は「水」「砂」「クリーム」といった漠然とした材質よりも獲得に時間を要する傾向があります。
専門的には、「鉄」「木」などの材質は「個別性のある材質」、「水」「砂」などは「個別性のない材質」と言われます。
「個別性のない材質」を表す言葉は、「個別性のある材質」を表す言葉よりも獲得が遅れる傾向があります。
これを説明する理論として、「存在論的カテゴリー」による概念的制約があります。
以下、存在論的カテゴリーについて触れていきます。
存在論的カテゴリーとは?
参考資料
小林春美(1999)『個別性のある材質名称の獲得の程度と「存在論的カテゴリー」の影響 : 4歳児と6歳児の比較』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年10月19日閲覧