医療・福祉・療育コラム

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子供はどのようにカテゴリーを理解していくのか?|言葉と概念の発達

公開日:2023年6月18日

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階層的カテゴリー理解の発達過程

 例えば「『犬』は『動物』でもある」ということがわかるというのは、カテゴリーを階層的に理解できているということです。

 言葉や概念の発達においてこの階層的なカテゴリーの理解は重要ですが、これには段階があります。

  • カテゴリーが階層的になっていない段階
  • カテゴリーが一定の条件下でのみ階層的に理解される段階
  • 階層的にカテゴリーを理解できる段階

 以下、それぞれ見ていきます。

 
 
 

カテゴリー理解の段階

全て基礎カテゴリー

 全ての犬は「犬」であって、他の概念(例えば「動物」)ではないと認識している段階です。

 子供はその絵を見て「犬」とはわかりますが、「動物」とはわからない状況です。

 
 

特定の状況でのみ上位カテゴリーを認識する段階

情報量が増えると上位カテゴリーがわかるパターン

 柴犬とチワワがいて、一方は「犬」他方は「動物」と言えるパターンです。
 あるいはヒントがあると「犬」が「動物」であるとわかるパターンです。

 ヒントの形式は主に2つあります。

  • 上位カテゴリーの特徴が強調される(例えば走っている犬の絵)
  • 同じ上位カテゴリーで別の絵がセットで提示される(例えば犬とライオンが提示される)

基礎カテゴリーと上位カテゴリーのつながりがない状態

 犬の絵を見て「犬」と納得し、同じ絵を別のタイミングで見たときに今度は「動物」で納得できる状況です。

 「犬」「動物」それぞれの意味はわかりますが、2つの概念がつながっていない状態です。
 つまり階層的な理解ができていない状態と言えます。

 
 

全ての基礎カテゴリーを上位カテゴリーでも認識できる

 全ての「犬」を「動物」とも認識できる状態です。
 階層的なカテゴリーが理解できている状態と言えるでしょう。

 つまり「『犬』は『動物』でもある」ということがわかる状態です。

 以上を踏まえ、子供へのカテゴリーの指導方法を挙げていきます。

 
 
 

子供へのカテゴリーの教え方

 
 
 

参考資料

『SITUATED UNDERSTANDING OF HIERARCHICAL CATEGORIES AMONG PRESCHOOL CHILDREN(幼児による階層的カテゴリーの状況的理解)』(日本教育心理学会)2023年5月29日閲覧

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