吃音の解説

吃音の特徴的な3つの症状(繰り返し・引き延ばし・ブロック)

公開日:2021年12月21日


 
 

吃音の3つの症状

 吃音の症状は人によって様々ですが、一般的には以下の3つの症状が挙げられます。

  • 連発(繰り返し)
  • 伸発(引き伸ばし)
  • 難発(阻止あるいはブロック)

 
 
 

解説

連発(繰り返し)

 「連発(繰り返し)」は文字通り音を繰り返してしまうどもり方です。
 吃音の基本症状であり初期症状の1つです。

 連発はさらに「音の繰り返し(SR)」「語の部分の繰り返し(PR)」に分けられます。

 音の繰り返し(SR)は
「ここんにちは」
「よよよろしくおねがいします」などです。

 語の部分の繰り返し(PR)は
 「はじはじめまして」
 「おつおつかれさまです」などです。

 
 

伸発(引き伸ばし)

 「伸発(引き伸ばし)」は音を伸ばしてしまう症状です。
 連発と同様に伸発も吃音症状の中では比較的軽度の症状に分類されます。

 引き伸ばしもその症状により「母音の引き伸ばし(VPr)」「子音の引き伸ばし(CPr)」の2つに分けられます。

 母音の引き伸ばし(VPr)は
 「さーかな」(魚)
 「りーんご」(林檎)などです。

 子音の引き伸ばし(CPr)は
 「(空気が洩れるような音のあと)さかな」(魚)
 はっきりとした50音には至ってないですが、音が引き伸ばされている場合です。

 
 

難発(阻止あるいはブロック)

 「難発」は阻止、ブロック(Bl)など言い方はいろいろあります。
 「難発」は文字通り言葉が止まってしまうような吃症状です。
 
「・・・おはよう」
「お・・・はよう」
など言葉が詰まります。

 先述の「連発」や「伸発」と比べると「難発」は本人の負担が大きいです。
 「難発」は言葉が出ないだけでなく息を吸うことも吐くこともできない状態であるため、酸欠のような状態になります。

 連発・伸発・難発、いずれも典型的な吃症状ですが、少なくとも本人の身体的負担で見ると連発と伸発は苦しくはなく、難発には苦しさが伴います。

「難発」が出ているかいないかは吃音の進行度合いの目安になります。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索

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