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親子の相互作用に着目した子育てとは?
「支援的養育行動」と「ネガティブ制御」は子供の実行機能および非認知的能力の発達に影響を及ぼすと考えられています。
これらは「親子の相互作用」と位置付けられています。
子供の非認知的な力を伸ばすには特別な訓練だけでなく、日々の大人の接し方が重要であると言えます。
解説
非認知能力と実行機能
近年はIQのように数値化された知能、つまり認知される力だけでなく、非認知的な力の重要性が教育学・心理学を中心に研究されています。
メディアを中心に比較的新しい概念として有名になった非認知能力ですが、類似した概念は古くから研究されています。
そのうちの1つが実行機能です
実行機能とは目的を達成するために自分をコントロールする力のことで、遂行機能とも呼ばれます。
「自分をコントロールする力」、つまり自制心は非認知能力においても重要な要素であり、2つの概念の共通点とも言えます。
幼児期に実行機能が高い子供は就学時の学業成績が良いなど様々な研究・調査が行われており、教育学において興味深い能力の1つです。
社会的相互作用
子供の実行機能の発達を促す方法の1つとして考えられているのが、社会的相互作用の活用です。
社会的相互作用という考え自体は心理学者のヴィゴツキーの理論に由来します。
そして実行機能の発達を促すための社会的相互作用の活用として、親子の相互作用に着目しています。
つまり親子の関わり方を工夫することで、子供の実行機能の発達を促す手法です。
親子の相互作用の内容
実行機能の発達を促す親子の相互作用として具体的な働きかけは、「支援的養育行動」と「ネガティブ制御」です。
支援的養育行動とは、子供を受容し親は子供をサポートする子供主体の状態を作ることです。
親が子供に「~しなさい」「これを勉強しなさい」と強いる関わり方と対極にある接し方と言えます。
ネガティブ制御とは子供に対してネガティブな働きかけをしないということです。
ネガティブな働きかけとは、罰や威圧によって子供を従わせようとする行為です。
これらは実行機能の発達に良い影響は与えないと考えられています。
様々な実行機能の訓練方法
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『自己制御と実行機能の関係の検証に係る諸問題』(心理学評論刊行会)2022年5月5日検索
『知的障害児のプランニングと抑制機能の支援に関する基礎的・実践的研究』(東京学芸大学)2022年5月5日検索
『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索
『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索
『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索
『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索
『子どもの認知発達の指標として「うそ」をとらえる』(日本心理学会)2021年12月29日検索
『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索
『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索
『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索
『小学生における高次神経活動の実態とそれに及ぼす生活状況の検討:go/no-go課題における誤反応数と型判定の結果を基に』(日本発育発達学会)2022年1月9日検索
『遂行(実行)機能をめぐって』(認知神経科学会)2022年6月24日検索


