成人におけるADHDの特徴
成人期においては、ADHDの特性により周囲との違和感を覚えるかもしれません。
中高生頃から自覚的になってきた自身の特性に、仕事や社会生活の中でより強く直面し、それが自尊心の低下や人間関係のトラブルにつながる可能性があります。
このようにADHDの特性自体は思春期から大人になるにかけて大きく変化はないものの、本人を取り巻く環境が変化するゆえに抱く思いは異なるかもしれません。
解説
不注意の側面
- 信号を見忘れるといった不注意な失敗
- ケアレスミス
- 大切な物(IDカード、パスポート、保険証など)を忘れる・失くす
- 人との大切な約束を忘れる
- 会話や会議中に上の空のように見える
- 作業に集中できず脱線することが多い
- 時間管理の苦手さ
- 比較的重要な課題や作業を後回しにしてしまう
不注意の側面はおおむね中高生とほぼ同じですが、
成人になるとケアレスミスを犯しやすい自分に違和感を覚え、自尊心を低下させていくケースが考えられます。
また学生の頃と異なり仕事によっては時間管理の下手さや忘れやすさが決定的な欠点と見なされてしまう場合もあります。
多動性の側面
- もじもじ・そわそわとした動き
- じっとしていることが必要な場を避ける
- 必要以上に席を立つ
多動性についても症状自体は中高生から成人になるにあたって大きくは変わらないでしょう。
衝動性の側面
- 軽はずみな行動
- ルールの逸脱
- 相手の話を最後まで聞けず途中で発言する
- 共同作業や議論で感情的になりやすい
衝動性の内容も中高生から成人になるにあたって大きくは変わらないでしょう。
感情的になりやすいゆえに人間関係のトラブルが予想され、このあたりが当事者の離婚率の高さに関係しているかもしれません。
成人のADHDへの対応方法
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧