ワーキングメモリ

直接プライミングとは?(記憶・心理学用語)|簡単にわかりやすく解説

公開日:2022年11月7日


 
 

直接プライミングとは?

 直接プライミングとは、前と同じ刺激が呈示されたときに、認知が促進される現象のことです。

 例えば事前に「リンゴ」という言葉を見聞きしておくと、「□ンゴ」という穴埋め問題に素早く反応できることを指します。

 直接プライミングは反復プライミングとも言われます。

 
 
 

解説

直接プライミングの意義

 直接プライミングは、前の刺激を意識していなくても後の刺激に影響を及ぼすところが興味深い点といえます。

 例えばさくらんぼ・パイナップル・マスカットという単語をあらかじめ見たあと、

□た□むり
さ□ら□ぼ
う□どけ□

という穴埋め問題を行う場合、多くの人は「さくらんぼ」が他の単語より解きやすくなります。

これは「さくらんぼ・パイナップル・マスカット」のうちどれかが穴埋め問題に出ると知らなくても、意識していなくても、解答が速くなります。

 このように、本人が意識していないくても、前の刺激を同じ刺激が呈示された場合に反応するのが直接プライミングという現象です。

 
 

直接プライミングの位置づけ

 プライミングが直接と間接の2種類があります。

 直接プライミングは効果の持続時間が間接プライミングよりも長く、1週間ほどになる場合もあります。

 このため学習などにうまく活用するといいかもしれません。

 プライミングは広義には記憶の種類の1つであり、「非陳述記憶」の1つに該当します。

 
 
 

プライミング効果とは?

 
 
 

非陳述記憶とは?

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索

『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索

『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧

『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧

『プライミングの認知心理学』(日本失語症学会(現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会))年月日閲覧

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