短期記憶と長期記憶の違い
短期記憶と長期記憶の違いは、覚えておける時間の長さ(保持時間)の違いです。
保持時間が1分程度のものを短期記憶、それより長いものは長期記憶に分類されます。
解説
記憶の分類
記憶の分類の仕方はいくつかあります。
記憶の保持時間に着目した心理学上の分類が短期記憶・長期記憶です。
同じく記憶を保持時間で分類するやり方として即時記憶・近時記憶・遠隔記憶がありますが、こちらは臨床神経学の分野になります。
保持時間の長さに着目した心理学上の分類では記憶は以下の3つに分けられます。
- 感覚記憶
- 短期記憶
- 長期記憶
また「エピソード記憶」「手続き記憶」といった名称は記憶を保持時間ではなく「内容」で分類した場合の名称です。
このため短期記憶・長期記憶とはまた別の概念です。
情報の干渉
例えばその場で聞いた電話番号は、頭の中で常に繰り返しておかないと忘れてしまうのではないでしょうか。
一方で、自分の家の住所などは、頭の中で一旦は消え去っても必要なときにすぐ思い出せるでしょう。
このように記憶には合間に何か別のことを考えたり別の作業をすると忘れてしまうものもあれば、それでも覚えておけるものがあります。
短期記憶の場合は情報の干渉があっても覚えておける場合もありますが、忘れてしまう場合もあります。つまり両方のケースがあります。
一方で長期記憶の場合は情報の干渉があっても保持することが可能です。
短期記憶や長期記憶の例
短期記憶・長期記憶の違いは保持時間の長さです。
このため似たような内容でも保持時間の長さで短期記憶でもあれば長期記憶でもあります。
例えば友人の家に荷物を送るため、住所を数十秒覚えていてすぐに忘れたのであればそれは短期記憶です。
一方で、その友人と仲が良く、数日後・数年後も住所を覚えていればそれは長期記憶と言えます。
記憶の分類
短期記憶とは?
長期記憶とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧