平均聴力の計算方法
音の聞こえやすさは音の周波数、つまり音の高さによって異なります。
ですので一般的に聴力検査を行う場合は複数の周波数の音を使って検査します。
全ての音が正確に聞こえているのなら話は簡単ですが、やはり周波数によって聞こえに差があることは多いです。
周波数ごとに聴力が異なる場合、何をもって「平均の聴力」としましょう?
平均聴力レベルの求め方はいろいろありますが、
日本聴覚医学会によると、「4分法B」という計算方法を推奨しています。
以下、もう少し詳しく。
「4分法B」とは?
「4分法B」とは、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzの4つの周波数の聴力を足して4で割る計算方法です。
聴力検査の手順は以下をご参照。
例えば検査の結果その人の聴力が、
500Hz:10dB
1000Hz:20dB
2000Hz:10dB
4000Hz:20dB
だとしたら、
(10+20+10+20)÷4 となり、
その人の平均聴力レベルは15dBとなります。
算出方法の種類と違い
算出方法の種類
平均聴力レベルの計算方法はいろいろあります。
2分法
(1000Hz+2000Hz)÷2
3分法A
(500Hz+1000Hz+2000Hz)÷3
3分法B
(1000Hz+2000Hz+4000Hz)÷3
4分法A
(500Hz+ 1000Hz ×2 +2000Hz)÷4
4分法B
(500Hz+1000Hz+2000Hz+4000Hz)÷4
6分法
(500Hz+ 1000Hz ×2 + 2000Hz ×2+2000Hz)÷6
算出方法の違い
これら算出方法はどれも間違いではありません。
日本でよく用いられているのは「4分法A」です。
次いで多いのが「3分法A」。
しかしながら、
国際的に最も広く使われているのは「4分法B」です。
そのため日本聴覚医学会の難聴対策委員会報告においては「4分法B」を使用することを提案しています。
まとめ
以上からまとめです。
平均聴力レベルの求め方はいろいろあります。
その中でも高音部分の評価にも配慮しており、国際的にも多く使われている「4分法B」が推奨されています。
「4分法B」の計算式は、
(500Hz+1000Hz+2000Hz+4000Hz)÷4
となっています。
ポイントは
「4分法A」は1000Hzを2倍しますが、
「4分法B」かわりに4000Hzを用いるところです。
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参考資料
『難聴対策委員会報告‐難聴(聴覚障害)の程度分類について‐』(日本聴覚医学会)2018年11月2日検索