吃音の解説

吃音に効く薬はあるのか?|薬物療法と言語聴覚療法

公開日:2022年5月23日


 
 

吃音に効く薬はあるのか?

 吃音に効く可能性がある薬として、ドーパミン阻害薬である「Olanzapine」があります。

 しかし副作用を考えると日常生活での使用は現実的ではありません。

 吃音の治療・アプローチには、言語聴覚療法が無難であると考えられます。

 
 
 

解説

Olanzapineの吃音への効果

 自身も吃音を持つ医師である菊池氏の著書、「エビデンスに基づいた吃音支援入門」によると、

 アメリカのマグワイアー医師がOlanzapineを6週間服用したところ、吃音が約30%軽減したとのことです。

 このように吃音に対する効果は実感しつつも、その後マグワイアー医師はOlanzapineの詳細な研究、つまり大規模臨床試験は行わなかったそうです。

 この背景には、Olanzapineの副作用が挙げられます。

 Olanzapineは吃音に対して一定の効果は期待できるものの、眠気や全身倦怠感、口渇症などの副作用が強く、メリットに対してデメリットが大きいと考えられます。

 
 

薬物療法と言語聴覚療法

 このように吃音に対する確立された薬物療法はなく、吃音の治療・アプローチには言語聴覚療法が無難であると考えられます。

 言語聴覚療法とは、言葉のリハビリの国家資格である言語聴覚士によるセラピーのことです。

 吃音は根本的な治療法が確立されていません。
 そのため吃音を永続的に0にできないのは薬物療法も言語聴覚療法も同じです。

 しかし吃音を軽減するということに関しては、薬物療法よりも言語聴覚療法のほうが短期間で効果があります。

 これは本人の吃音に対する心理的負担を軽減する、吃音に関する二次的障害を予防するということにも関連していきます。

 吃音は本人の心理的状態も症状に大きく影響し、また吃音に伴う課題も年齢やライフステージによって変化します。

 専門家と二人三脚で歩むセラピーは、目先の吃音症状を軽減するだけの薬物療法より、長期的にQOL(人生の質)を向上させると考えられます。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『吃音』(ICD-10)2018年7月15日検索

『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索

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