桃太郎がわかるのはいつから?
子供が桃太郎の話を理解できるのは何歳頃からなのでしょうか。
桃太郎は子供向けの童話であり、絵本などの読み聞かせであれば比較的低年齢からでも「話を聞いてそれなりに理解」することはできるでしょう。
一方で、桃太郎の話を聞き、後にその内容を自分の言葉で説明できるのは、目安としては6歳前後くらいからと考えられます。
解説
質問に対して答える力の発達
幼児期の言葉の発達を見る検査、とりわけ口頭での質問に対して口頭で答える力を見る言語検査に「質問―応答関係検査」があります。
質問応答関係検査は、幼児期の会話能力を評価する検査の1つと言えます。
そして質問応答関係検査には、「桃太郎」の話を説明してもらう項目があります。
日本音声言語医学会の論文にて、この質問応答関係検査の作成に際したデータを見ることができます。
これには各検査項目について通過率が25%、50%、75%になった年齢がまとめられています。
子供の定型発達を考える上で通過率70%前後はよく用いられる割合であるため、通過率75%に相当する年齢は(あくまで目安ではありますが)定型発達児の傾向を知る上で比較的信憑性のある数字と言えるでしょう。
上記によると、桃太郎の物語の説明において、要点をおおむね押さえた説明をできる子供が全体の75%を超える年齢は6歳頃となっています。
桃太郎の説明
絵本によって微妙な違いはあるかもしれませんが、桃太郎の話にはおおむねいくつかのポイントがあると考えられます。
おじいさんとおばあさんが登場したことや、川から桃が流れてきたこと。
桃から生まれた子供が桃太郎と名付けられ、きびだんごを持って鬼ヶ島に鬼退治に行ったこと。
その道中で犬・猿・雉を家来にしたこと。
鬼を退治し宝物を取り戻したこと。
他にもいろいろあるでしょうが、いずれにせよ物語を説明するときはポイントを押さえながら要領良く説明する「要約の力」のようなものが必要です。
子供が知っている童話を説明してもらう場合はこういった要約の力を見ることができます。
桃太郎のような話の場合、(その物語自体を過去に読んで覚えていれば)おおむね6歳前後にはある程度過不足のない説明ができてくると考えられます。
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧