一時期は「子供に見せたくないアニメ」のランキングにも入っていましたが、近年は「理想の家族像」としても評価が高いアニメ「クレヨンしんちゃん」。
主人公である野原しんのすけはなかなか個性的で魅力のあるキャラクターですね。
しんちゃんは設定では幼稚園に通う5歳児ということになっています。
そこで、今日はしんちゃんの言動と一般的な5歳児の発達を照らし合わせてみたいと思います。
しんちゃんは5歳の年中さんという設定。
しんちゃんが5歳になった年中さんなのか、6歳にまだなっていない年長さんなのかというのはけっこう重要。
同じクラスでも3月生まれのか4月生まれかで1年近く年齢に差がでます。
この月齢の差は子供にとって大きいものです。
また、幼稚園では年中さと年長さんでは活動内容もずいぶん異なるでしょう。
しんちゃんは5月5日生まれの5歳。
つまり5歳○○か月の年中さん。
5月生まれのしんちゃんは同じクラスの子達の中では平均より月齢が高く、そのぶん発達も早くなりがちと考えられます。
しんちゃんの特徴的な口調として「オラ」という一人称がありますね。
子供は自分のことを自分の名前で呼ぶ時期から次第に一人称へ以降していきます。
これは自分や他者を様々な側面で見ることができるという認知的な発達が土台になっています。
一般的に、自分のことを一人称で呼べるようになるのは3~4歳台と言われています。
このように考えると、しんちゃんが自分のことを「オラ」と言っているのは妥当と言えます。
補足記事:【Q&A】「ぼく」「わたし」と言うのは何歳頃ですか?
しんちゃんはアニメや映画中でお絵描きをする描写が度々ありますね。
場合によっては文字を書く場面も。
その文字は決して達筆とは言えず、子供相応の稚拙なものですが読めないことはない。
子供が字をそれなりに書けるようになるのは何歳頃でしょう?
一般に文字の読み書きは5歳頃からです。
先述のとおりしんちゃんは5月生まれで年中さんでありながらそれなりに月齢はあることが予想されるので、稚拙ながら読める字を書けるのは妥当と言えます。
補足記事:【Q&A】子供は何歳くらいから字は書けるものですか?
アニメのシーンで度々ある、ネネちゃんをはじめとした友達と行われるリアルおままごと。
複雑な設定の下、しんちゃん達がそれぞれの役を演じながらままごとをします。
一般にままごとをやりだすのは2~3歳頃。
しかしこの頃のままごとというのは親が子供に付き合ってあげるような幼稚なままごとです。
同年代の子供達と役割をもって協調してままごとができるのは5~6歳頃です。
しんちゃんがリアルおままごとをやるのはしんちゃん自身の発達を促す面からも有意義そうです。
もっと詳しく:しんちゃんのリアルおままごとか子供の発達にいい理由
しんちゃんは三輪車で遊びに行くことが時折ありますね。
三輪車は3歳頃から乗り始めることができます。
一方で、自転車は補助輪ありでも6歳台あるいはそれ以降じゃないとなかなか厳しいものです。
しんちゃんの自宅にはしんちゃん用の自転車はない様子。
発達的側面としては妥当なようです。
以上のように、しんちゃんには一般的な5歳児に相当する言動がいろいろ見られます。
まあ、映画などでかなりアクロバティックな動きや大人びた言動があるしんちゃんがやっぱり普通の5歳児ではないですけどね。
本人が言うように、やはり天才ということなのでしょうか。
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