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音素・音節・モーラの違い
音素とは音の集まりです。
文脈としては、音の最小単位を表すことが多いです。
つまり「赤」であれば「aka」で、3つで構成されているとする考え方です。
そして音節とモーラに関してですが、
長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を
1つとしてカウントするのはモーラ、
しないのが音節です。
以下、もう少し詳しく。
音素・音節・モーラとは?
音韻論
言語学のうち、音声についての研究を音韻論や音声言語学と言ったりします。
いずれにせよ端的に言えば、
目では見えない音声という言葉を、目に見えるかたちで表記したり分析したりします。
そういった際に音素・音節・モーラなどといった考え方が必要になってきます。
音韻論は人間の発音や読み書き能力に深く関ってきます。
音素とは?
音素には複数の学説がありますが、
おおむね日本語をローマ字表記した際のアルファベットの1つ1つをイメージするとわかりやすいでしょう。
つまり「赤」という言葉が「aka」という3つの音素から成るということです。
「か」という音は日本語的には1つの音のまとまりのように感じますが、構造からみると「k」という子音と「a」という母音が合わさってできた音なのだという考え方です。
音節(シラブル)とは?
音節はシラブルとも言われます。
音節は言語音の区切り方の1つで、母音を中心に区切るのが特徴です。
例えば「りんご」は「r i n g o」なので、
音節的には2音節とされます。
※今はわかりやすくローマ字表記で説明しています。厳密には音声言語では専用の音声記号を使うので、表記が若干異なります。
具体的には、
音節は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)をカウントしません。
モーラとは?
日本語の音の区切りの感覚に近いのがモーラです。
音の時間の長さで区切ります。
例えば「りんご」は「り・ん・ご」なので、
音節的には3モーラとされます。
このため、
モーラは長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)を1モーラとしてカウントします。
ちなみに拗音をカウントしないのは音節もモーラも同様です。
音節とモーラの違いの具体例
具体的に、言葉を音節とモーラで分けて比べたいと思います。
「くるま」
音節:「く る ま」 3つ
モーラ:「く る ま」 3つ
「おちゃ」
音節:「お ちゃ」 2つ
モーラ:「お ちゃ」 2つ
「りんご」
音節:「りん ご」 2つ
モーラ:「り ん ご」 3つ
「ハート」
音節:「ハー ト」 2つ
モーラ:「ハ ー ト」 3つ
「きって(切手)」
音節:「きっ て」 2つ
モーラ:「き っ て」 3つ
「サッカーせんしゅ」
音節:「サッ カー せん しゅ」 4つ
モーラ:「サ ッ カ ー せ ん しゅ」 7つ
おわりに
音節とモーラは共通部分もありわかりにくい概念ではあります。
ポイントとしては
日本語の感覚に近いのがモーラであり、長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)をカウントします。
拗音は音節もモーラもカウントしません。
その他の記事
参考資料
『健常児における音韻意識の発達』(J-STAGE)2020年4月1日検索
『子どもの音韻障害と音韻意識』(J-STAGE)2020年4月2日検索