障害者のITサポートにおいてパソコンを使う機会は度々あります。
脳性麻痺などによる重症心身障害や肢体不自由がある場合、パソコン操作にスイッチを活用することが多いです。
パソコンをスイッチで動かす場合、意思伝達装置が最も有名です。
一方、市販のパソコンをスイッチで操作することもできます。
市販のパソコンにスイッチをつなげる場合、その橋渡しとなる機器が必要です。
それらをスイッチインターフェースと言います。
スイッチインターフェースで最も有名なものはできマウスでしょう。
特別支援教育の現場でできマウスを使っている人も多いかもしれません。
【インターフェースの自作】
市販品で対応できない状況や金銭的な課題がある場合、インターフェースを自作する機会が出てきます。
スイッチインターフェースを自作する場合、ゲームパッドを使用することが効率的であることは前回書きました。
ゲームパッドとはゲームの際に使うコントローラーを指します。
前回の記事:パソコン用スイッチインターフェース自作2.コントローラーを使う。
今日はスイッチインターフェース自作には欠かせないコントローラーのしくみについて見てみます。
【コントローラーを分解】
コントローラーはUSB端子を持ったパソコン用のものを使います。
家電量販店で手に入ります。
図のようなファミコン型のものやスティックが付いたプレステ型のものなどいろいろあります。
形はなんでもOKです。
価格でいうとスティックがついていないファミコン型のほうが安いかもしれません。
だいたい1000円前後でしょうか。
プレステに使うようなスティックが付いているものは2000円前後します。
コントローラーのネジをドライバーではずして分解します。
中に電子基盤が入っています。
ちなみに図は簡略化したものです。基盤の状態はコントローラーの機種によって微妙にことなります。
しかし基本は、緑入りの基盤に金属色の線がたくさん入っています。
そしてボタンの位置は丸くなっています。
それぞれの丸は、直線や曲線が中央を横断しています。
コントローラーを分解すると、ボディと基盤、ボタンのパーツに分かれます。いずれもなくさないようにしましょう。
さて、電子基盤は勉強しだすときりがありません。
スイッチインターフェースを自作する際は一つだけ覚えれば充分です。
それは丸い部分の回路がどうやったらつながるかです。
図のように、丸い部分は線によって半分に分かれています。
これらを外部からつなぐことによって反応します。
通常はコントローラーのボタンを押すことでそのボタンの信号がパソコンに出力されます。
中身を見てみると、回路がつながっているのです。
【スイッチをつなげるようにする】
スイッチインターフェースはパソコンとスイッチを橋渡ししてくれます。
コントローラーにスイッチをつなげることができれば、コントローラーがスイッチインターフェースになります。
中身はこのような感じです。
基盤から銅線など電気を通す線で回路を増やします。
この回路がスイッチを押すことで一つの輪になりコントローラーの出力がされます。
【まとめ】
スイッチインターフェースを自作する際、一から全部作るのはたいへんです。
しかしコントローラーを改造する方法なら必要最小限の作業と知識で済みます。
コントローラーの中の基盤は複雑ですが、仕組みを全て覚える必要はありません。
覚えることはただ一つ。
ボタンの回路のつなげ方です。
基盤には各ボタンの位置に丸い部分があります。
この丸い部分は中央を線によって絶縁されています。
この絶縁をやめさせることで回路がつながります。
銅線など電気を通す線を基盤につけて、スイッチでも回路をつなげるようにします。
今日はここまでで次回へ続きます。