リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書の違い
リハビリテーション実施計画書と
リハビリテーション総合実施計画書。
名前も書式も似ている2つの書式ですが、
総合実施計画書は診療報酬を算定でき、これが大きな違いになります。
また総合実施計画書は実施計画書と異なり、多職種の関りが必要になってきます。
リハビリのおける実施計画書
リハビリテーション実施計画書は、文字通りリハビリの実施に関する計画を書いた書類です。
医師の指示の下で計画されたリハビリに、本人および保護者が同意することでリハビリを行うことができます。
リハビリテーション実施計画書はリハビリにおける同意書のような役割があり、実施計画書がなければ診療報酬でのリハビリを行うことはできません。
リハビリテーション実施計画書は最低3か月に1回作成する決まりになっており、
そのため本人や保護者は少なくとも3か月に1回の頻度で計画書に目を通すことになります。
実施計画書から総合実施計画書へ
リハビリテーション実施計画書は、
リハビリテーション総合実施計画書で代用することができます。
さらに、リハビリテーション総合実施計画書はそれ自体で診療報酬を算定できます。
リハビリテーション実施計画書が、リハビリそれ自体の診療報酬を算定するために必要な書類であるのに対し、
リハビリテーション総合実施計画書は、リハビリ自体の算定を可能にすることに加え、書類それ自体にも診療報酬を発生させることができるわけです。
つまり経営の観点から言えば実施計画書を書くなら総合実施計画書にしたほうが利益になるわけです。
ただし、総合実施計画書を作成するには多職種が総合的に患者さんに関わることが必要になります。
実施計画書なら例えば医師と作業療法士だけで作成ができます。
しかし総合実施計画書となると、
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、子供相手であれば保育士など、
(今挙げた職種を必ず全て網羅しないといけないわけではないのですが)複数の職種が複数の観点から書いたまさに「総合」的な内容にする必要があるのです。
おわりに
以上のように、実施計画書も総合実施計画書も、意味合いとしてはリハビリを行う上での計画書であり本人への同意書になります。
見た目も名前も素人からしたら似ていてややこしいというか細かいなあという印象ではありますね。
2つの違いは総合実施計画書のほうが書類単独で利益が出る点です。
とはいっても、患者さん側の費用負担が大きく変化することはありません。
経営的な観点から言えば総合実施計画書を書いたほうが合理的ですが、そのためには多職種の配置が必要でそこがハードルになってきます。
参考資料
『令和2年度診療報酬改定について』(厚生労働省)2020年5月30日検索
『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) (医科点数表)様式』(厚生労働省)2020年5月30日検索