子供の読書の習慣をつける取り組み・コツ
小学生の読書習慣を形成するために、図書館に行く機会を増やしたりとりあえず本を借りて手元に置いておくことは有意義と考えられます。
幼児期に読み聞かせなどを行う。親も読書をする様子を子供に見せる。
スマホやテレビ、ゲームの使用時間をきちんとスケジュールする。
など様々な前提の上でですが、子供が本を借りやすい環境を整えることは大切です。
解説
読書と国語力の関係性
日本教育心理学会の論文によると、子供の読書量と国語力(語彙力と文章理解力)には関連があることがわかっています。
「読書は国語力に良い影響を与える」というのは感覚的に納得できるかと思いますが、科学的にも一定の信憑性があると言えます。
読書量を推し量ること
その子がどのくらい本を読んでいるかを調べることは、意外と難しいものです。
これは専門家の研究でもそうですし、一般家庭でも当てはまるでしょう。
親は子供の読書の状況を逐一監視しているわけではありませんから、どのくらいどんな本を読んでいるのか意外とわからないものです。
先述の論文によると、読書量の簡便な測定方法として図書貸出数を挙げています。
つまり本をたくさん借りている子ほど読書量が多く、語彙力や文章理解力も高いということです。
「たくさん本を借りている子は本をたくさん読んでいる」というのは当然と言えば当然ですが、それがきちんと科学的に相関していると証明できることは一定の意義があるでしょう。
またこのことから考えると、
子供と読んだ本の話をしたり一緒に本を読むことが大切なのは言わずもがなですが、加えて一緒に図書館に足を運ぶなど「本を借りやすい生活環境」を作ることは大切であると言えます。
もちろん、学校の図書室で借りてきた本を一緒に読むなども有意義でしょう。
図書貸出数と学年
ただし、図書貸出数と語彙力・文章理解力の相関は学年が上がるごとに低くなる傾向にあるので解釈に注意が必要です。
これはおそらく、学年が上がるごとに(本当に読書好きな子は)1冊当たりのページ数や文字数が多い本を借りがちですから、結果貸出数はそこまで多くならないという背景が考えられます。
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧tosyo