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【発達障害と思春期】自己理解と人格特性

公開日:2024年11月21日


 
 

自己理解と人格特性

 自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は、自己理解において人格特性に関する表現が少ない傾向があります。

 つまり自分について話すときに気質や個性よりも、外見や社会的な所属、行動それ自体を話すことが多いということです。

 
 
 

解説

発達障害と自己理解の研究

 日本発達心理学会の論文に、自閉症スペクトラム障害者の自己理解について調査・研究したものがあります。
 定型発達の人と発達障害者を対象に、自己理解について答えてもらいその回答傾向を分析したものです。

 「自分はどういう人間なのか」自覚できることは、アイデンティティを確立する上で重要な要素の1つでしょう。

 そして自閉症スペクトラム障害者の場合、定型発達と比べて自己理解に特徴的な要素があると考えられています。

 
 

外的特徴と内的特徴

 自己理解を行う上での視点は、大きくは外的特徴と内的特徴があります。

 外的特徴とは見た目や社会的地位、実際にやっている行動などです。

 これに対し内的特徴とは、気質や他者との関係の中で現れる情緒などです。

 自己理解の視点は年齢および発達に伴い外的特徴から内的特徴へ移行する傾向にあると考えられています。

 つまり若い頃は自分を語る際に見た目やステータスを材料にしがちですが、年齢を重ねる中でより内面、価値観や主義などを重視する傾向にあるということです。

 
 

人格特性と自己理解

 定型発達と比較すると、自閉症スペクトラム障害の思春期は自己理解において外的特徴により重視する傾向があります。

 自閉症スペクトラム障害の人が人格特性にあまり注目しない理由としては、主に2つの要素が考えられます。

 1つ目は、他者との情緒・情動の共有体験の少なさです。

 2つ目は、対人関係の苦手さからくる、自己に対する否定や不安の感情です。

 
 
 

発達障害と自己理解

 
 
 

参考資料

滝吉美知香、田中真理(2011)『思春期・青年期の広汎性発達障害者における自己理解』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月14日閲覧

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