子供と見る、あるいは子供に見せることを想定した検閲的レビューです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
SSSS.DYNAZENONは子供向けか?
令和にはやや珍しいジャンルとなった巨大ロボットアニメ枠と言える「SSSS.DYNAZENON」。
「SSSS」の部分は特に音には出さず、呼称する際は「ダイナゼノン」と言います。
変形・合体するロボットで少年達が戦う、特に男の子に食いつきが良さそうなストーリーです。
物語の内容自体も子供が理解できそうな構成になっていますが、玄人向けの演出や小ネタが多く、巨大ロボットアニメや特撮ヒーローを見て育った大人がターゲットの作品と言えます。
子供も十分楽しめそうな内容ですが、作り手の意図を理解するには大人でないと厳しいかなという印象を受けます。
SSSS.DYNAZENONとは?
SSSS.DYNAZENONは、90年代に放送された特撮ヒーロー作品「電光超人グリッドマン」を原作とします。
しかし原作のリメイクや続きの作品というわけではなく、電光超人グリッドマンの世界観を引き継ぎまったく別のストーリーを描くのがSSSS.DYNAZENONです。
そのため出てくるロボットや登場人物はまったく新しいものとなっています。
SSSS.DYNAZENONの前作にあたるSSSS.GRIDMAN(グリッドマン)も同様の作風であり、これらはGRIDMAN UNIVERSEというプロジェクトから生まれた作品とされます。
作品の解説
SSSS.DYNAZENON巨大ロボットアニメや特撮ヒーローを見て育った大人がターゲットの作品と言えます。
ストーリーや演出が子供受けする王道をいきながらも、そのいたるところに見逃しそうな伏線や玄人がニヤッとする小ネタを仕込んでいます。
例えば敵である怪獣をわざとのっそりと動かし、まるで特撮ヒーローで役者が怪獣の着ぐるみを着て動いているような様子をあえてアニメで表現しています。
このほか様々な特撮ヒーローやロボットアニメのオマージュがあります。
原作である電光超人グリッドマンは90年代の作品ですから、原作に熱中した世代はおおむね今の30代です。
SSSS.DYNAZENONはロボットやアニメが好きな30代の大人をターゲットにしている節があります。
とは言いつつも、ストーリーや演出は王道の盛り上がりのある構成となっており、子供がロボットアニメとして楽しめる要素も十分あると思います。
補足記事