「ありがとうございまちゅ」「じゅーちゅのむ」
「さしすせそ」の音が「たちつてと」や「ちゃちゅちょ」になる。
「サ行」が「タ行」になる発音は幼児の滑舌にはよくあることです。
子供の滑舌というものはある程度は自然に上達するものです。
一方で、苦手な場合は適宜練習が必要な場合もあります。
補足記事:子供の発音は何歳まで様子を見て、何歳から練習させたほうがいいのか?
今日は「さしすせそ」つまり「サ行」の音の発音の仕方を見てみましょう。
まず、「さしすせそ」はローマ字で書くとそれぞれ
「sa shi su se so」となりますね。
「し」だけ「sh」でつづりが違いますね。
発音も同様で、
「さ・す・せ・そ」と「し」は発音の仕方が異なります。
「さ・す・せ・そ」については「sa su se so」、
つまり「s」の音と各母音の音の口の形を作ることで発音できます。
補足記事:子供の滑舌の練習は、ローマ字で考えるとわかりやすい。
「さ・す・せ・そ」に使われる「s」の音は、専門的には無声舌尖歯茎摩擦音(むせいぜっせんしけいまさつおん)と言います。
名称だけだとわかりにくいですね。
もう少し丁寧に書くと、
「s」は声帯を動かさず(無声)、舌の先っぽ(舌尖)と歯ぐき(歯茎)を使って口から細く長く息を出す(摩擦)音だということです。
人が「さすせそ」を発音するときは上記の口の動きが無意識に行われているわけですが、いざ文字に書いても実感しにくいですね。
もう少しわかりやすくするため、「タ行」と比較してみましょう。
例えば「た」と声に出すと、舌の先っぽと上の歯くっつきます。
次に、「さ」と声に出すと、舌の先っぽが上がりますが上の歯にはくっつきません。
すごくおおざっぱに言うと、
「さすせそ」の音は、舌先が上に上がるけれど、上の歯につくほどは上がらない音なのです。
これが「s」の音の特徴です。
子供の滑舌によくありがちなのが「サ行」が「タ行に」なる発音。
「サ行」が「タ行」になるのは、舌先を少し上げればいいのに、力が入り過ぎて舌が上の歯についてしまうからです。
つまり舌先のコントロールが稚拙なのです。
正しく「さすせそ」を発音するには、舌先を上の歯につかない程度に正しく上げることが必要です。
「し」はサ行の音の中でも特殊な音で、ローマ字で書くと「shi」。
「sh」の音は「s」よりも舌のちょっとだけ後ろが上がる音です。
「s」は舌先を上げる音なので、
「s」と「sh」は上げるべき舌の位置が異なります。