障害児者の支援において、かなりの頻度で登場する車椅子。
一方で、脳性麻痺などの方にしばしば作成される座位保持装置。
今日は車椅子と座位保持装置についてです。
車椅子は歩行が難しい方の移動手段としての道具です。
自分でタイヤを動かすものもあれば、電動車椅子もあります。
形は様々で、オーダーメイドで作ることも少なくありません。
座位保持装置とはその名の通り、座位を保持する装置です。
座位保持装置は障害により座位(座る姿勢)がとれない人が座位の姿勢を保てるように支えてくれます。
椅子にタイヤがついていて、用途的には車椅子のように使えますが、
座位保持装置は座面や背もたれに豊富にその人に合わせてたクッションが付いていて、普通の椅子では座位ができない人でも座ることができるようになっています。
車椅子と座位保持装置の違いは、
車椅子は移動が目的、座位保持装置は座位の保持が目的である点です。
そのため、クッションが付いているかのような
座位を保持できる機能の有無が車椅子と座位保持装置の違いです。
さらに詳しく違いを見ていきましょう。
車椅子には座位保持装置のような豊富なクッション類は付いていません。
車椅子はタイヤが大きく、自分の手でタイヤを回すことができるものが多いです。これは車椅子が移動手段であることに起因します。
一方で、座位保持装置の多くはタイヤが小さく、手がタイヤに届くことは少ないです。
これは座位保持装置はあくまで座位を保持するもので、移動は介助者に押してもらうスタイルをとることが多いからです。
しかしながら、車椅子と座位保持装置というのははっきりと分かれるものではありません。
例えば車椅子は自分でタイヤを回せるようタイヤが大きめですが、電動車椅子の場合はタイヤが小さめです。
手動でタイヤを回す必要がないからです。
座位保持装置は移動の際は介助者に押してもらうスタイルをとることが多いですが、中には電動車椅子の機能を持った座位保持装置も存在します。
このように、車椅子にせよ座位保持装置にせよその人に合わせて作るため、双方の機能が混ざり合うことはけっこうあるのです。
座位保持装置のような車椅子、車椅子のような座位保持装置も存在するのです。
座位保持装置は脳性麻痺の方などに多く作られます。
そのほとんどがオーダーメイドでいろいろな型の座位保持装置があります。
いろいろな車椅子や座位保持装置がある現場では、しばしばどちらも「車椅子」と呼ばれたりもします。
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