本の音読は何歳から?
子供が文字を声に出して読めるのは何歳頃からでしょう?
知らない漢字は除き、平仮名や片仮名を主とした簡単な本を声に出して読むことを想定します。
個人差はありますが、
音読ができるのは5歳後半から6歳頃です。
解説
音読ができる年齢
子供の発達を見る検査に、KIDS乳幼児発達スケールというものがあります。
子供の発達を言語や運動、生活やコミュニケーションなど分野ごとに幅広く見ることができる検査の1つです。
上記によると、絵本の文章をはっきり声に出して読めるのは、5歳10か月相当の発達と位置付けられています。
また、類似した検査である津守式乳幼児精神発達質問紙において、平仮名の拾い読みは5歳6か月頃から見られる発達の傾向と考えられています。
以上のことから、音読は5歳後半あるいは6歳前頃からできはじめると考えられます。
文字の読みの発達
一般的には、子供はおおむね4歳頃から文字の形の識別が可能になっていきます。
文字に興味が芽生えながら、子供はぽつりぽつりと読める文字が増えていきます。
そして5~6歳の頃には平仮名50音が読めるようになっていきます。
片仮名については個人差はあるものの、一般的な発達傾向としては平仮名と片仮名に大きな習得時期の差はなく、おおむね同時期に50音の読みが完成します。
この1文字ずつの読みと併行して、子供は読める単語も増えていきます。
単に平仮名1文字ずつを読む力と、単語を読みその意味を理解する力は微妙に異なる力です。
前者では拾い読みになりますが、後者では意味のある区切りを伴った読みが可能になります。
このような力も並行して獲得していきます。
そして5歳の終わり頃、あるいは6歳頃には比較的はっきりとした声で音読が可能になっていきます。
このような経過を踏まえると、7歳になる年である小学校1年生から、音読や読み書きの学習が本格的に始まることも頷けます。
学童期の言語発達を見る検査であるLCSA(学齢版 言語・コミュニケーション発達スケール)においても、音読課題は網羅されています。
このように6歳以降あるいは7歳以降は音読の力も大切な言語発達の指標であることがわかります。
参考資料