心理学

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まとめ買いがお得とは限らない|心理学と経済学

公開日:2023年1月30日


 
 

まとめ買いがお得とは限らない

 日用品や食材のまとめ買いは必ずしもお得になるとは限りません。

 行動経済学者のセンディム・ムッライナタン氏によると、

 2種類以上のサイズ別の商品のうち、25%のブランドは大きいサイズのほうが割増しになっている可能性があるようです。

 つまり、100gが100円で売っている商品において、「大容量サイズ」などと表記されてる200gのほうは200円以上する場合があるということです。

 
 
 

研究

単位当たりの価格

 一般的に、大容量サイズのほうが単位当たりの値段は安くなると思いがちではないでしょうか。

 例えば500gの洗濯洗剤の詰め替え商品の横に、同じブランドで「大容量サイズ」と表記された1000gの詰め替え商品があるとします。

 「988円」など端数が細かくぱっと計算できない価格のとき、多くの人は先入観で「500gの物より値段は高いけれど、1g当たりの値段は安くなっているだろう」と思うでしょう。

 一度にまとめて購入するぶん割安になっている。そのように予想します。

 もちろん割安の商品もありますが、

 容量が大きい商品を購入しても、単位あたりの値段は同じかむしろ高い場合もあります。

 結局のところ大容量サイズが本当にお得かどうかは実際に電卓を使ってみないとわからないということです。

 
 

賢い買い物と心理学

 興味深い傾向として、「お得ではない大容量サイズ」をつい買ってしまうのは高所得者に多いようです。

 低所得者の場合は1円の価値が大きいので、例え見た目がお得そうであってもしっかり数字を計算するシビアな面があるのでしょう。

 一方で高所得な人はどんぶり勘定な傾向があり、同じ標品でサイズ違いの物が複数あれば、「大きいサイズの方が単位あたりはお得だろう」と先入観で判断してしまいがちのようです。

 当たり前と言えば当たり前ですが、自分のおかれている状況によって物事の判断の慎重さが変わるというのは、1つの教訓と言えるでしょう。

 
 
 

参考資料

-心理学
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