親の学歴が高いと子供は勉強する?
親の学歴が高いからといって、必ずしも子供が勉強熱心になるわけではありません。
しかしながら、親の学歴が高いことと子供の家庭学習の時間の長さには関係があるようです。
解説
親の学歴と子供の学習時間
日本子ども社会学会の論文によると、親の学歴と子供の家庭学習の時間の長さには相関があったようです。
つまり、親が短大卒や大卒の家庭の子供は、そうでない子供と比べると家庭学習の時間が長い傾向にあったようです。
また、親の学歴が高い子供のほうが、そうでない子供より学業成績は高い傾向にあったようです。
これらは因果関係ではなく相関関係です。
つまり、親の学歴が高いから子供が家で勉強をして、だから成績が良いと言い切れるわけではありません。
しかしながら、「親の学歴」と「子供の学習時間」や「学業成績」が相関している(つまり一方が高いと他方も高い)ことは興味深い傾向と言えるでしょう。
休日の学習時間
中学生の場合、休日の勉強時間が長いと学業成績も高い傾向にありました。
これは「勉強したほうが成績が良い」というある意味で当たり前の結果ですが、親の学歴と休日の勉強時間に有意差があったことは興味深いと言えるでしょう。
つまり、親の学歴が高い家庭の子供は、そうでない子供よりも休日に勉強している時間が長い傾向にあったということです。
この傾向は特に土曜日に見られたようです。
一昔前までは土曜日も学校がありましたが、現在は行事などを除いて休日である場合がほとんどでしょう。
休日の学習時間の差は、ある意味で教育における家庭環境の格差でもあり、興味深い傾向と言えます。
仮説としてよく言われることが、学歴の高い親は勉強の重要性を子供によく説明し、学習環境を整える傾向にあると言われます。
このようなスタンスの差は、当然ながら休日の過ごし方にも影響を与えることが想像できます。
参考資料
小針誠(2002)『小・中学生の学業成績と学校外学習時間に関する一考察 社会階層を媒体として』(日本子ども社会学会)2024年4月21日検索