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標準抽象語理解力検査(SCTAW)とは?
標準抽象語理解力検査は頭文字を取って「SCTAW」とも表記されます。
抽象語理解力検査とは、文字通り抽象語の理解度を見る検査です。
6択の絵の中から検査者が言った言葉に該当するものを選んでもらいます。
似たような検査でPVT-Rという語彙検査がありますが、PVT-Rを知っている人は
「PVT-Rの問題が難しいバージョン」が抽象語理解力検査とイメージするとわかりやすいかと思います。
検査の意義
概要
抽象語理解力検査は、軽度の言語理解障害を検出することが役割の1つです。
つまり他の言語検査ではほとんど正答してしまい、何が苦手・何が障害されているのか検査上ではっきりしない。そういった場合に抽象語理解力検査は活躍します。
そのため検査者から見ても抽象語理解力検査の問題内容は解きごたえがあるというか、やや難しい内容になっています。
成人分野における抽象語理解力検査
成人の分野においては失語症や認知症などの方に対し、先述のような軽度の言語理解障害の評価において用いられます。
小児分野における抽象語理解力検査
抽象語理解力検査は成人の分野でも小児の分野でも使われる検査です。
小児の分野においては、言語発達遅滞や自閉症スペクトラム障害、学習障害など評価において用いられます。
特に小児の分野では、読み書き障害の評価に抽象語理解力検査は使われます。
これはなぜかというと、読み書き障害の代表的な検査である「読み書きスクリーニング検査」は、抽象語理解力検査と連携する作りになっているからです。
検査の実際
おわりに
小児の分野においては抽象語理解力検査は単独で実施するというよりは、読み書きスクリーニング検査を実施するにあたって実施することが多いように感じます。
読み書きスクリーニング検査の検査用紙には抽象語理解力検査の結果を書き込む欄があり、セットになっている印象です。
ただ現場では読み書きスクリーニング検査のみ実施して抽象語理解力検査は端折ることも多々あるとは思いますが。
いずれにせよその人の言語能力を、いろんな側面で分析するための1つの検査が抽象語理解力検査ではと思います。
参考資料
『標準抽象語理解力検査の小児への適用』(日本音声言語医学会 J-STAGE)2020年9月16日検索