リハビリの臨床実習で失敗したり空回りしない方法を考えます。
1. 実習が格段にうまくいく方法
リハビリ職種である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)になるために必要な臨床実習。
実習では医療の知識や技術もさることながら、実習指導者(バイザー)や病院職員、患者さんとのコミュニケーションがうまくいかず実習を失敗する学生もいるようです。
人間関係が理由で実習を失敗する原因の1つに、意識のすれ違いがあります。
要するにバイザーが気をつけてほしいと思っているところと、学生が「気をつけなきゃ」と思っているポイントがずれている。
この、実習で何を気をつけて何を心がけたらいいかというポイントがバイザーと学生で一致するだけで、実習は格段にうまくいくようになります。
2. 実習で空回りしてしまうパターン
学生はバイザーが何を重要視し、逆に何は大して評価対象にしないのかということを知ると有意義です。
理学療法士である岩瀬弘明氏らの、「学生の好感がもてる行動」という論文があります。
臨床実習指導者(バイザー)から聴取した「学生の好感がもてる行動」148項目の内、どれが最もバイザーの好感が持てるか調査したという内容です。
この調査において下位だった項目は、「やったほうがマシだけど別にそこまで重要視していない」あるいは「みんな当たり前のようにやっているから別にポイント高くはない」言動なわけです。
こういう、「やったほうがマシだけど別にそこまで重要視していない」あるいは「みんな当たり前のようにやっているから別にポイント高くはない」といったことに意識が向きすぎると実習で空回りしてしまう結果となります。
以下、そんな「やらなかったらマイナスかもしれないけれど、やっても評価につながりにくい言動」を見ていきましょう。
3. 評価につながりにくい言動20
同着もありますが、合計20の項目です。
1.デイリーノートの記載が多い
2.白い下着を身につけている
3.マスクを付ける
4.靴下が白い
5.臨床医学について質問すると正確に答えることができる
6.解剖学や生理学について質問すると正確に答えられる
7.整髪料を付けすぎていない
8.無地の下着を身につけている
9.動作の回数を一緒に数える
10.注意しても泣かない
11.評価法について質問すると正確に答えることができる
11.患者と面白い話ができる
13.発表を簡潔,明瞭に行うことができる
14.実習着にアイロンがかかっている
15.適切な治療目標を設定できる
15.セラピストに気配りができる
15.提出物から煙草の臭いがしない
16.患者に適した治療を選択できる
17.セラピスト以外の病院職員に自分の考えを伝えられる
17.靴下が無地である
4. まとめ
「靴下が白い」などなど、身だしなみ系は学校でも口をすっぱくして言われますし、そのぶんみんなやってるので「当たり前」なわけですね。
身だしなみはできてないとマイナスですが、できたからといって大きなプラスにはなりにくい。
ちなみ下着の色とかはあんまり派手だと注意対象ですが、微妙な感じはスルーされるのかも。
近年、バイザーは「セクハラ」などにも気を遣っているので言いにくい部分もあるのでしょう。
この論文を参考にすると、
スタッフや患者さんに礼儀正しいことが一番好感度が高く、知識や技術が優れていることは二の次であることがわかります。
5. その他の記事
6. 参考資料
『臨床実習学生の「好感がもてる行動」に関する意識調査』(J-STAGE)2018年6月24日検索