1. 実習先で好かれるには?
リハビリ職種である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)になるために必要な臨床実習。
実習では医療技術もさることながら、職員や患者さんとのコミュニケーションがうまくいかず実習を失敗する学生もいるようです。
理学療法士である岩瀬弘明氏らの、「学生の好感がもてる行動」という論文があります。
臨床実習指導者(バイザー)から聴取した「学生の好感がもてる行動」148項目の内、どれが最もバイザーの好感が持てるか調査したという内容です。
要するに「どんな言動に気をつけると、学生はバイザーに好かれるか?」といったことなわけです。
以下、そのベスト20項目を見てみましょう。
2. 好感が持てる言動ベスト20
同着もいくつかありますが、合計20項目の好感が持てる言動です。
1.患者にはっきりと挨拶ができる
2.患者に敬意をもって接することができる
3.患者に礼儀正しい
4.患者を理解しようと努力している
5.セラピストにはっきりと挨拶ができる
6.セラピスト以外の病院職員にはっきりと挨拶ができる
7.備品を大切に扱う
7.実習終了時,患者にお礼の挨拶が言える
9.提出物の期限を守ることができる
9.患者とコミュニケーションをとる努力をしている
9.患者への配慮ができる
9.行動する前にセラピストに確認できる
9.セラピストに報告ができる
14.セラピスト以外の病院職員に礼儀正しい
14.休む時には連絡をする
14.セラピストに連絡ができる
17.見学中、患者の様子を熱心に観察している
18.遅刻をしない
18.嘘をつかない
20.患者を第一に考えることができる
3. 職種での違い
今回のランキングはリハビリ職種である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)の総合ランキングになっています。
職種別にみると、また重要視される項目は違っていて、
理学療法士の場合、あいさつや態度に関する項目が上になりがちでした。
・セラピスト以外の病院職員にはっきりと挨拶ができる
・患者に敬意をもって接することができる
などです。
一方、作業療法士の場合は仕事に関するマナーが上になりがちでした。
提出物の期限を守ることができる
休む時には連絡をする
理学療法士さんのほうがやや体育会系なのでしょうか?
4. まとめ
傾向としては、病院スタッフに礼儀正しいことも必要だけど、それ以上に患者さんへの礼儀正しさが求められているようですね。
また、対人関係だけでなく、備品を大切に使うこともポイント高いようですね。
さらに、「実習終了時,患者にお礼の挨拶が言える」というのも学生さんは盲点になりがちなのでしょう。
実習やその時間のリハビリが終わるとほっとして頭が回らない学生さんも多いのでは。
5. その他の記事
6. 参考資料
『臨床実習学生の「好感がもてる行動」に関する意識調査』(J-STAGE)2018年6月24日検索