おつかいは何歳から?
おつかいって何歳頃からさせていいものなのでしょう?
テレビの「はじめてのおつかい」は昔から有名ですが、正直なところ多少演出が入っている感じもありますよね。
実際のところ子供のおつかいってどのくらいの年齢が妥当なのでしょう。
あくまで目安ですが、
おつかいはおおむね6~7歳頃からが理にかなっていると考えられます。
「おつかい」の定義の難しさと意義
「おつかいは何歳くらいからできるのだろう?」という問いに先立って難しいのが、「何をもっておつかいと定義するか?」ですね。
どんなお店に行くのか、どんな物を買うのか、家からの距離はどのくらいか。
歩いて行くのか電車で行くのか。
道中の交通量は多いのか、信号はあるのか。
「おつかい」というのは状況によって難しさがかなり異なるため、定義が難しいものです。
しかし「おつかい」という行為を改めて考えてみると、
子供と親における「おつかい」の意義とは、やはり「自立」なのではないでしょうか。
例えば一度も行ったことがないお店に、子供が今まで見たことも使ったこともないような物を買ってこさせるのは、それは「おつかい」以前の経験や知識の問題のような気もします。
一度もお金で支払った経験がなく、そういう手順を教えてもらったことがないお子さんが、お釣りやレシートを受け取り忘れても仕方がない気もします。
「おつかい」はやったことがない知らないことをさせる場ではなく、親とやったり見聞きしたことがあることを今度は「自分一人でやってみる」という自立の練習の一環なのではないでしょうか。
このように考えると、
「普段から行ったことがあって家からの道順がわかるお店に行って、普段から知っている品物を買う」ということがその子にとっての「おつかい」なのではないでしょうか。
「おつかい」と子供の発達
子供の成長には個人差があります。
「うちの子は○○歳で○○ができた」といった経験談は参考にはなるかもしれませんがあくまで経験則の域を出ません。
子供の成長を考える上ではある程度客観的なものの見方が時として必要です。
子供の発達を見る検査に、津守式乳幼児精神発達質問紙、KIDS乳幼児発達スケールといったものがあります。
こういった発達検査に基づいた、子供の正常発達と照らし合わせながら子供のおつかいの年齢について考えてみます。
まず、子供は1歳頃から「歩く」ことができはじめ、
1歳後半頃から20分くらいの連続した歩行ができはじめます。
そして様々な認知発達をしていきながら、
4~5歳頃には自分が知っている場所に自分達だけで行くような習慣が芽生えてきます。
例えば公園のベンチに座っているお母さんに、「○○ちゃんとあっちの滑り台行ってくるね」といった具合です。
慣れてくると、もっと見えない距離も行けるかもしれません。
例えばマンションに住んでいて、「5階の○○ちゃん家に行ってくるね」といった具合です。
そして5~6歳頃になると、買い物の際におつりやレシートをもらうことに気をつけることができるようになってきます。
さらに6歳台は信号を理解し信号に合わせて横断歩道を渡ることができはじめる時期でもあります。
また6歳後半ないし7歳台になると、品物が見つからないときお店の店員さんに聞いたりなど他人に助けを求める行為もスムーズになってきます。
こういった背景を考えると、
6~7歳頃になるとおつかいに必要な能力が徐々に備わりつつあることがわかります。
おわりに
以上のようにおつかいに必要なポイントをいくつか挙げてみましたが、子供の発達には個人差があるのであくまで参考程度にしていただければ幸いです。
また、子供を一人でおつかいに行かせることは、良い経験ではありますがやはり危険も伴います。
あくまでその子自身の状況を見て、ご家庭の自己責任の下で安全面に配慮していただければと思います。
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧